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中国の最新領土・領海地図、アジア4カ国・地域が一斉に抗議
中国が領土や領海を示す最新の地図を公表したことを巡り、フィリピンとマレーシア、台湾、ベトナムのアジア4カ国・地域が8月31日、一斉に抗議の声を上げた。写真は中国外務省の汪文斌報道官。4月26日、北京で撮影(2023年 ロイター/Florence Lo)
[31日 ロイター] - 中国が領土や領海を示す最新の地図を公表したことを巡り、フィリピンとマレーシア、台湾、ベトナムのアジア4カ国・地域が31日、一斉に抗議の声を上げた。
中国はこれまで「九段線」と呼ぶ独自の境界線を設定し、係争地域の多さで世界屈指の南シナ海の広大な地域を領土・領海に含めてきたが、最新地図では境界線が「十段線」に改められ、南シナ海のほぼ90%に中国の権益が及ぶとされている。
フィリピン外務省は「フィリピン領土・領海に対して中国が主張する主権や権益を正当化するこの試みには、国際法上の根拠が全くない」と指摘。中国側が国際法と、自分たちが掲げる独自の境界線に法的妥当性はないとした2016年の仲裁裁判所判決を踏まえて、責任ある行動をしてほしいと要求した。
マレーシア政府も、地図について外交的な抗議文書を提出したと表明。同国は新たな地図に何ら拘束されるものではないと述べた。
台湾外交部の報道官は、台湾は中国の一部ではないと改めて強調した上で「中国政府が台湾の主権を巡る自らの立場をどのようにわい曲しようとも、われわれが存在するという客観的な事実を変えることはできない」と語った。
ベトナム外務省は、地図に基づく中国側の主張には何の価値もなく、ベトナムの主権と国際法に違反しているとの見解を示した。
中国外務省の報道官は「中国の南シナ海問題での立場は常に明確だ」と説明するとともに、関係各国・地域が客観的かつ合理的な態度でこの件を考えて欲しいと付け加えた。