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インド、炭素税案巡りEUをWTOに提訴へ=関係筋

インドは同国産の鉄鋼や鉄鉱石、セメントに20─35%の炭素税を適用するEUの案を不服として、世界貿易機関(WTO)にEUを提訴する計画だ。写真は2017年5月、ムンバイで修理作業が終わった後にスチールケーブルを巻く人たち(2023年 ロイター/Shailesh Andrade)
[ニューデリー 16日 ロイター] - インドは同国産の鉄鋼や鉄鉱石、セメントに20─35%の炭素税を適用する欧州連合(EU)の案を不服として、世界貿易機関(WTO)にEUを提訴する計画だ。複数の政府高官や業界関係者が、匿名を条件に明らかにした。
この計画は、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)に対抗するインド政府の戦略の一環。政府高官は「EUは環境保護の名目で、インドからの輸入にとどまらず、他の途上国からの輸入にも打撃を与えかねない貿易障壁を設けようとしている」と語った。また、政府がEUの一方的な決定を不服としてWTOに提訴し、中小企業を中心に輸出企業に対する救済措置を求める考えを示した。
WTO担当の別の政府関係者は、炭素税が差別的で貿易障壁にあたるとして合法性に疑問を呈し、インド政府が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に従って既に排出削減に取り組んでいると語った。
また、この件について協議するため政府が先週開いた会合に出席した業界関係者3人は、WTOへの提訴が計画されていることを認めた。