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戦争終結に向けた領土の譲歩、ゼレンスキー大統領が一蹴
5月25日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアとの戦争を終結させるために同国が領土を巡り譲歩すべきだとの案に強く反発した。写真は23日、スイス・ダボスで開催されたダボス会議でビデオ演説するゼレンスキー氏(2022年 ロイター/Arnd Wiegmann)
[25日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、ロシアとの戦争を終結させるために同国が領土を巡り譲歩すべきだとの案に強く反発した。
米紙ニューヨーク・タイムズは5月19日の論説で、決定的な軍事勝利が現実的でないことを踏まえると、ウクライナ政府は和平に向けた交渉で難しい判断を下す必要があるかもしれないと指摘した。
また、キッシンジャー元米国務長官は今週世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、ロシアが2014年に一方的に併合したクリミアについて、ウクライナはロシアに維持させるべきだと示唆した。
ゼレンスキー氏は、ビデオ演説で「キッシンジャー氏のカレンダーには2022年ではなく、1938年の日付があり、ダボス会議ではなく、当時のミュンヘンの聴衆に話しているとの印象を受ける」と述べた。
1938年に英国、フランス、イタリア、ドイツはミュンヘンで協定を締結、ナチスドイツのヒトラーにさらなる領土拡張を断念させるため、当時のチェコスロバキア領土を与えることになった。
「恐らくニューヨーク・タイムズも1938年に同じようなことを書いたのだろう。しかし、今は2022年だ」と強調した。
その上で「ウクライナはロシアに何か与えるべきだと助言する人々は、ウクライナの普通の人々、普通のウクライナ国民、幻想の和平のためにロシアに引き渡すべきだと提案している領土に住む数百万の人々に目を向けたことがない」と批判した。
ウクライナを巡っては、欧州連合(EU)内で、停戦と和平交渉を求めるイタリアおよびハンガリーと、ロシアへの強硬姿勢を維持する他の加盟国との間で溝がある。
*動画を付けて再送します。