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米、ロシアのガス供給に注目 政治手段に利用なら対応=国務長官

11月10日、ブリンケン米国務長官(写真)は欧州がエネルギー不足に陥る中、ロシアが天然ガス供給を政治手段として利用する兆候に注目していると表明した。ワシントンの国務省で5日代表撮影(2021年 ロイター)
[ワシントン 10日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は10日、欧州がエネルギー不足に陥る中、ロシアが天然ガス供給を政治手段として利用する兆候に注目していると表明した。実際にそのような戦略が取られた場合は、米政府はドイツと協力して適切に対応する決意だと強調した。
ウクライナのクレバ外相との会談で語った。会談ではロシアが中心議題となり、クレバ氏は、ロシアは既にロシア産ガスの供給を政治的な武器として利用していると指摘した。
ブリンケン氏は、ロシアがウクライナ国境近くで「異常な軍事活動」を展開しているとの報道についても、米政府は懸念していると説明。
「ロシアがエネルギーを武器として利用しようと試みたり、ウクライナに対するさらなる侵略行為をはたらく場合、米国とドイツは適切な措置を取る決意だ」と述べた。
ロシアはガス価格が過去最高水準に高騰する中、ガス供給を抑えていると批判されている。ただ、プーチン大統領は欧州連合(EU)のエネルギー政策に問題があると主張し、ロシアから直接ドイツに天然ガスを運ぶ「ノルドストリーム2」が欧州で承認され次第、欧州向けの供給を増やすことが可能になるとしている。
ブリンケン氏は「ロシアがエネルギー不足を緩和するためにガス供給を増やすことは可能で、そうすべきだ」と訴えた。
会談でブリンケン、クレバ両氏は憲章に調印。ウクライナがロシアによる軍事侵攻や悪意あるサイバー活動、経済やエネルギー供給の混乱に対応する際、米国が対ロシア制裁の維持などによって支援すると確約する内容となっている。