ニュース速報

ワールド

イラン、ウラン濃縮60%に引き上げへ 来週にも開始

2021年04月14日(水)10時29分

 4月13日、イランは、中部ナタンズの核施設で濃縮ウランのレベルを60%に引き上げると国際原子力機関(IAEA)に通告した。ナタンズの核施設の航空写真。4月撮影。提供写真(2021年 ロイター/Maxar Technologies)

[ドバイ/ワシントン/ウィーン 13日 ロイター] - イランは13日、中部ナタンズの核施設で濃縮ウランのレベルを60%に引き上げると国際原子力機関(IAEA)に通告した。核兵器製造に必要な濃縮度90%にまた一歩近づくことになる。

イランのカゼム・ガリブアバディIAEA担当大使はツイッターへの投稿で、濃縮度60%のウラン生産を来週にも開始する予定だと明らかにした。

イランは12日、ナタンズの核施設で発生した異常事態がイスラエルによる攻撃と非難し、報復措置を取ると明言したばかり。

イランの核交渉を担当するアラグチ外務次官は、ナタンズのウラン濃縮施設に追加的に1000機の遠心分離機を導入すると表明。半国営ファルス通信は、イラン原子力庁(AEOI)のカマルバンディ報道官が「ナタンズで60%の濃縮を行う実質的な準備を今晩、開始する。濃縮度60%のウランは、さまざまな放射性医薬品の製造に利用される」と述べたと報じた。

その後、イラン当局者はロイターの取材に対し「濃縮度が60%に高められるのは小規模にとどまる」と明らかにした。

イラン核合意を巡る米国との間接協議は14日にウィーンで再開される見通し。米ホワイトハウスのサキ報道官は、イランの「挑発的な」発表を懸念していると述べた。

イランと主要国は先週、2015年の核合意復活に向けた協議を行い、「建設的」との見方を示していた。英国、フランス、ドイツが仲介役を務め、核合意への復帰を目指す米国とイランの間接協議も行われた。

イラン核合意の下での濃縮度の上限は3.67%。イランはここ数カ月で20%まで高めていた。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米2月求人件数、19万件減少 関税懸念で労働需要抑

ワールド

相互関税は即時発効、トランプ氏が2日発表後=ホワイ

ワールド

バンス氏、「融和」示すイタリア訪問を計画 2月下旬

ワールド

米・エジプト首脳が電話会談、ガザ問題など協議
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中