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政府系開発銀行、化石燃料事業への投融資停止を=国連事務総長

10月12日、国連のグテレス事務総長(写真)は、政府系開発銀行は化石燃料プロジェクトへの投融資をやめるべきだと訴えた。写真はニューヨークで9月撮影(2020年 ロイター/Mike Segar)
[ロンドン 12日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は12日、政府系開発銀行は化石燃料プロジェクトへの投融資をやめるべきだと訴えた。
環境保護活動家らは長年、商業銀行に働き掛けることで石油・天然ガス、石炭業界による温暖化ガス排出抑制に取り組んできた。
発展途上国での開発の鍵を握ることの多い政府系開発銀行に対しても、これらの業界に融資を行わないよう求める圧力が強まっている。
グテレス事務総長は、数十カ国の財務相などで構成するグループのオンライン会議に向けたビデオメッセージで、開発銀行は化石燃料への投資をやめ、再生可能エネルギーを後押しするよう取り組むべきだと強調。「スピードと規模、決断力のあるリーダーシップが必要だ」と訴えた。
ドイツの環境NGO(非政府組織)、ウルゲバルトは12日に公表した報告書で、2015年のパリ協定採択以降に世界銀行が化石燃料セクターに120億ドル以上を投じたと指摘。同セクターに対する世銀の支援規模は他の開発銀行を大幅に上回っているとした。
世銀はこれについて、「根拠のないゆがんだ見解」だとし、2015─19年に途上国で再生可能エネルギーやエネルギー効率の向上に94億ドル近くをコミットしたと反論。また、アフリカやアジアの農村部などで電気のない生活をしている約7億8900万人の人々を支援する世銀の責務を考慮していないと批判した。