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英・EU交渉、気候変動対策巡る対立でさらに停滞
5月25日、英国と欧州連合(EU)の2021年以降の関係を巡る交渉で、EUが温室効果ガス排出量削減に関する規定を協定に盛り込むよう求めているのに対し、英国がこれを拒否し、もともと停滞気味だった交渉がさらに行き詰まっている。写真は3月、ブリュッセルで行われたEUのバルニエ首席交渉官とジョンソン英首相の欧州連合(EU)離脱交渉担当者、デービッド・フロスト氏の会談で代表撮影(2020年 ロイター)
[ブリュッセル 25日 ロイター] - 英国と欧州連合(EU)の2021年以降の関係を巡る交渉で、EUが温室効果ガス排出量削減に関する規定を協定に盛り込むよう求めているのに対し、英国がこれを拒否し、もともと停滞気味だった交渉がさらに行き詰まっている。
EUの当局者は「これは公正な競争条件において大きな問題で、EUでは政治的に一段と扱いが厄介な問題だ」と指摘した。
EUは英国との交渉で、労働や環境などの基準や政府補助金で公正な競争環境の保障を求めており、それが協定に入らなければ英国から安い輸入品がEUの単一市場に流入すると懸念している。一方、英国は、EU離脱を決めた2016年の国民投票で自国の法と規制の決定権を取り戻すというスローガンが掲げられたことを考慮し、EUの要求を拒んでいる。
英国は温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにするという法的拘束力のある目標を掲げている。EUの欧州委員会もEU全体で同様の目標を設定したい考えだが、全加盟国の支持はまだ取り付けていない。
しかし、新たな協定における気候変動問題の取り扱いでは双方の意見は食い違っており、将来の関係に関する基本的な見解の相違が背景にあるとみられる。
英国の当局者は「EUが通商協定に(気候変動関連の規定)を盛り込もうとしているのも、英国の国内政策への影響力を保とうとしているからだ」と批判した。
EUは貿易だけでなく安全保障や漁業、気候問題など多岐に渡る分野を網羅する協定を結び、英国との緊密な関係を維持したい意向。一方、英国は貿易に限定した協定が好ましいと考えている。
英国は今年1月にEUを離脱したが、離脱前と同じ地位を続ける移行期間が12月まで続く。双方は交渉の進展状況を見極める期限を6月30日に設定している。