ニュース速報

ワールド

米朝首脳会談が実現するか不明、非核化引き続き主張=トランプ大統領

2018年05月17日(木)07時02分

 5月16日、トランプ米大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談が実現するかは分からないとしながらも、朝鮮半島の非核化を主張し続けるとの立場を示した(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 16日 ロイター] - トランプ米大統領は16日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談が実現するかは分からないとしながらも、朝鮮半島の非核化を主張し続けるとの立場を示した。

トランプ大統領は米朝首脳会談は実現するかとの記者団の質問に対し「様子を見る必要がある」とし、「何も決まっていない。われわれはまったく何の通達も受けていないし、何も聞いていない」と述べた。

ホワイトハウスのサンダース報道官は、米朝首脳会談の実現を引き続き期待するとの米政府の立場を表明した。ただ、トランプ大統領は困難な交渉プロセスにも備えていると述べた。フォックスニュースのインタビューに応じた。

サンダース氏は「会談が開催されなければ、引き続き最大限の圧力を掛け続ける」とも述べた。北朝鮮側の発言については「あり得ない内容でない」との認識を示した。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、米政府が北朝鮮の核プログラム放棄を一方的に主張し続けるならば、北朝鮮は米国との首脳会談開催を再考するかもしれない、と伝えた。

金桂冠・第1外務次官は「米国がわれわれを追い詰め、われわれに一方的な核放棄を強いるならば、われわれはもはやそうした対話には関心を持てない。米朝首脳会談の開催も再考せざるを得ない」と述べた。

ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)はフォックス・ニュース・ラジオに対し、米朝首脳会談が実現する可能性はまだあるとの見方を示した。

ただ「われわれはこの会談の目的に、北朝鮮による完全で検証可能で不可逆的な非核化を掲げており、この目標を取り下げることはしない」とも述べた。

非核化を巡って金氏は、かつてのリビアへの対応と似た合意が非核化の形式になると示唆したボルトン氏ら米当局者を厳しく批判した。

金氏は「わが国が無残な運命をたどったリビアやイラクでないことを世界は熟知している」と指摘。リビアが核開発の初期段階にあったのに対し、北朝鮮は核保有国であると主張した。リビアの元最高指導者カダフィ大佐や、イラクのフセイン元大統領の退陣を念頭に置いた発言とみられる。

金氏はさらに「われわれは既に朝鮮半島の非核化の意思を表明しており、非核化の条件は米国が北朝鮮への敵視政策や、核の脅し、脅迫をやめることだと、複数の機会にはっきりさせてきた」とも主張した。

国連のグテレス事務総長は記者団に「最後は常識が勝って首脳会談が成功裏に開かれることを望む」と語った。

*写真と内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、利下げ「慎重姿勢が適切」 不確実性高い=ア

ワールド

トランプ氏、対中関税引き上げの可能性を警告 24時

ワールド

トランプ氏、対メキシコ関税発動を1カ月見送り 国境

ビジネス

米ISM製造業景気指数、1月50.9に上昇 22年
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我との違い、危険なケースの見分け方とは?
  • 4
    メーガン妃からキャサリン妃への「同情発言」が話題…
  • 5
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 6
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 9
    「103万円の壁」見直しではなく「壁なし税制」を...…
  • 10
    トランプ「関税戦争」を受け、大量の「金塊」がロン…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 10
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中