世界のサステナブルファンド、第1四半期は過去最高の資金流出=調査
Ross Kerber
[24日 ロイター] - 調査会社モーニングスターが24日に発表した第1・四半期のサステナブル(持続可能性)ファンド動向によると、投資家が世界のサステナブルファンドから引き揚げた資金が過去最高の86億ドルに上った。資金流出の主な要因は、トランプ米大統領による気候変動対策や社会貢献活動への姿勢転換とした。
最も流出が多かったのは欧州だが、3兆1600億ドル規模に上る世界のサステナブルファンドの大半をなお占めている。
第1・四半期の欧州サステナブルファンドからの純流出額は12億ドルで、前期の204億ドルの純流入から反転し、少なくとも2018年以来初の純流出となった。
モーニングスターは、トランプ氏の大統領復帰で欧州における持続可能性目標の優先順位が下がったほか、多様性、公平性、包摂性(DEI)への取り組みを阻止する大統領令などが新たな法的リスクを生み出していると指摘。クリーンエネルギー分野などの運用懸念も流出の一因と分析した。
資金引き揚げは米国で61億ドルに上り、10四半期連続となった。
モーニングスター・サステナリティクスでサステナブル投資研究部門を率いるホルテンス・ビオイ氏は「米国でESG(環境・社会・統治)への反発が強まり、それが欧州の心理にも顕著に影響する中、統合、リブランディング、商品開発に対する慎重さを示す一段の兆候が見られる」と述べた。