ニュース速報
ビジネス

インフレリスクなお残る、経済政策に不透明感=クーグラーFRB理事

2025年02月21日(金)07時56分

 2月20日、米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事は、インフレ率が目標の2%に達するにはまだ「道半ば」で、その道のりは平たんではないとの認識を示した。写真は、FRBのビル。2022年1月、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Joshua Roberts)

[20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事は20日、インフレ率が目標の2%に達するにはまだ「道半ば」で、その道のりは平たんではないとの認識を示した。

先月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を4.25─4.50%に据え置いたFRBの決定を支持するとし、この水準が経済を適度に抑制するとの考えを示した。

クーグラー氏はジョージタウン大学での講演準備原稿で、「雇用の下振れリスクは低下したが、インフレの上振れリスクが残っていることを踏まえると、(この水準が)適切だとみている」と述べた。

また「新たな経済政策が及ぼし得る影響も依然として不確実性が高く、採用される措置の範囲、期間、反応や具体的な内容次第だ」と指摘した。

トランプ大統領は1月20日の就任以来、高関税、規制緩和、政府支出削減など一連の提案を示してきた。一部のエコノミストはこれらの政策がインフレ圧力を引き起こす可能性を懸念しているが、影響は小さいとの見方もある。

クーグラー氏はこの議論ではどちらの側にも立たず、経済は堅調に推移しており、労働市場は健全で、インフレはピーク時からは大幅に低下したが、依然として高水準にあると指摘した。

「今後、適切なフェデラルファンド(FF)金利を検討するにあたり、われわれはこれらの動向を注視し、入手されるデータと変化する見通しを引き続き慎重に評価していく」と述べ、最近のFOMC声明の文言を繰り返した。

FRBは来月のFOMCでも金利を据え置くと予想されている。金融市場では、6月までに利下げが実施される可能性は低く、年内に2回目の利下げが実施される可能性は五分五分とみられている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、ウクライナ復興に凍結資産活用で合意も 和平

ビジネス

AIが投資家の反応加速、政策伝達への影響不明=ジェ

ワールド

不法移民3.8万人強制送還、トランプ氏就任から1カ

ビジネス

米中古住宅販売、1月4.9%減の408万戸 金利高
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中