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午前の日経平均は反落、一時3万9000円割れ トランプ関税が重し

2025年02月19日(水)12時13分

 2月19日、前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比161円52銭安の3万9108円88銭と、反落した。写真は都内で2020年10月撮影(2025 ロイター/Issei Kato)

Hiroko Hamada

[東京 19日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比161円52銭安の3万9108円88銭と、反落した。トランプ米大統領が18日、自動車関税について税率は25%程度になると述べたことから警戒感が強まり、自動車株などに売りが出た。日銀の高田創審議委員の発言を受けて為替が円高に振れると、日経平均は節目の3万9000円を割り込む場面もあった。ただ、前引けにかけては下げ幅を縮小し、一進一退の展開が続いた。

日経平均は前営業日比39円安と小幅安でスタートした後、方向感のない展開が継続。小幅高に転じる場面もあったが、再びマイナス圏に沈んだ。中盤には高田審議委員の発言が伝わり、ドル/円が一時151円後半へ下落。これを受けて日経平均も275円安の3万8994円70銭で安値を付けた。売り一巡後は下げ幅を縮め、小動きとなった。

高田審議委員はの宮城県金融経済懇談会で、堅調な設備投資や賃上げ、価格転嫁の継続といった前向きな企業行動の持続性が引き続き確認され、見通しが実現していけば「一段のギアシフトを進める局面だ」と述べ、利上げを継続していく姿勢を示した。

市場では「事前には高田委員がタカ派的なコメントをするのではないかとの警戒感があったが、想定していたほどタカ派的と受け止めらなかった。為替の水準も戻り、日本株の下げも限定的となった」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏)との声が聞かれた。ただ、日銀の追加利上げ観測がくすぶる中で円高進行のリスクも懸念され、「日経平均は明確に4万円台を抜けて高値を超えていくのは難しいとみている」(浪岡氏)という。

TOPIXは0.41%安の2764.01ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆3747億9200万円だった。東証33業種では、パルプ・紙、金属製品、海運など12業種が値上がり。精密機器、輸送用機器、医薬品など20業種は値下がりし、建設は変わらずだった。

個別では、主力のトヨタ自動車が1%超安、ホンダ、マツダが2%超安だった。第一三共は2%超安で軟調。一方、SCREENホールディングスが5%超高と大幅上昇。指数寄与度の大きい東京エレクトロンは2%超高、アドバンテストは小幅高だった。

三菱UFJフィナンシャル・グループは連日の昨年来高値更新、三井住友フィナンシャルグループは2%超高、りそなホールディングス、みずほフィナンシャルグループは1%超高だった。

プライム市場の騰落数は、値上がり634銘柄(38%)に対し、値下がりが932銘柄(56%)、変わらずが74銘柄(4%)だった。

ロイター
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