VW、米で追加投資へ 30年までにシェア倍増目指す=CFO
1月23日、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のアルノ・アントリッツ最高財務責任者(CFO)は、スイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の際に、VWは米国で市場シェア目標を達成するために投資を拡大し、欧州ではコストを削減する必要があるとの見方を示した。ベルリンで2023年5月撮影(2025年 ロイター/Annegret Hilse)
Divya Chowdhury Victoria Waldersee
[ダボス(スイス) 23日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のアルノ・アントリッツ最高財務責任者(CFO)は23日、スイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の際に、VWは米国で市場シェア目標を達成するために投資を拡大し、欧州ではコストを削減する必要があるとの見方を示した。
アントリッツ氏は、2030年までに米国で現在約4%の市場シェアを「倍増」させることを目指していると述べた。本国ドイツでは、先月に労組と合意したコスト削減策を実施するための困難な作業が始まったばかりだとし、工場が生産速度を上げなければ計画は失敗に終わると強調した。
同氏は、電池や半導体へのアクセスの確保から、生産性や投資収益率の改善にわたるVWの課題は、ドイツや欧州の産業部門が直面している課題を反映していると指摘。またVWと欧州全体が利益を上げる成長を始める前に固定費を削減する必要があるとし、「VWにとって正しいことは、ドイツや欧州にとっても正しいかもしれない」と付け加えた。
トランプ米大統領が欧州、メキシコ、カナダからの輸入品への関税適用を実行した場合の同社の対応方法については「時期尚早」としてコメントを控えた。
同社はテネシー州チャタヌーガ工場に100億ドル、米電気自動車(EV)メーカー、リビアンとの合弁事業に50億ドル、米子会社スカウトに50億ドルなど、既に北米市場に約200億ドルを投入している。
アントリッツ氏はロイター・グローバル・マーケッツ・フォーラムで「わが社は欧州では強いが、米国でもっと付加価値を高める必要がある」とし、投資分野の可能性として研究開発を挙げた。その上で「まずはプロジェクトを決めなくてはならない」と述べたが、詳細には言及しなかった。
VWはEVへの乗り換えをためらう消費者にアピールするために、EV電池を充電して航続距離を延ばすための小型エンジンであるレンジエクステンダーを搭載した車種を増やす計画だ。レンジエクステンダーは中国で人気を集めており、既にスカウトの一部の車種に搭載が計画されている。