午前のドルは155円前半へ下落、米大統領発言で上下1.3円の乱高下
1月20日、午前のドルは、前日東京市場の終盤から1円弱のドル安/円高が進行し、正午時点は155円前半で取引されている。写真は日本円と米ドルの紙幣。ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで2023年3月撮影(2025 ロイター/Dado Ruvic)
[東京 21日 ロイター] - 午前のドルは、前日東京市場の終盤から1円弱のドル安/円高が進行し、正午時点は155円前半で取引されている。日本時間午前に就任式を終えたトランプ米大統領の発言が相次ぎ、その内容に一喜一憂する形で、ドルは上下1.3円の乱高下となった。
前日東京市場の取引を156円ちょうど付近で終えたドルは、海外市場のじり安基調を引き継いで、きょう午前9時過ぎに一時154.90円まで下げ幅を拡大。今月17日の安値を下抜け、昨年12月17日以来、約1カ月ぶり安値を更新した。
トランプ大統領が就任式で関税や減税に関して強硬な姿勢を示さなかったことで、市場の警戒ムードは一時緩和し、アジア時間序盤の取引では米国株先物が上昇した。外為市場でも「トランプ氏就任に向けて積み上がっていたドル買いをいったん圧縮する動きが強まった」(外銀関係者)という。
しかし、午前10時前にトランプ大統領がカナダとメキシコに対して25%の関税を課すことを検討しているとの発言が伝わると、一転してドルは急上昇。メキシコペソとカナダドルが1%超下落したほか、対円でも156.24円まで大きく切り返した。
ところがその後、ドルは再び昼にかけて155円前半へ反落した。貿易取引のある国々に対して一律に関税を課す構想について、トランプ氏は「準備はまだできていない」と述べた。
アジア市場の米10年債利回りが4.54%付近と、前週末の4.62%から低下して半月ぶり低水準となったことも、ドルの上値を押さえた。市場では、前日休場だった「米市場の反応を確認したい」(大手銀ストラテジスト)との声が聞かれた。
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