ニュース速報
ビジネス

米中堅銀行、高まる投資銀事業の重要度 M&A活況で手数料収入増加

2025年01月20日(月)08時09分

 米国で長らくウォール街大手行の牙城と目されてきた投資銀行やトレーディングといった事業分野が今、中堅銀行にとっても重要度が高まってきている。写真は、マイアミの金融街として知られるブリッケル地区の風景。2023年2月、フロリダ州マイアミで撮影(2025年 ロイター/Marco Bello)

Manya Saini Niket Nishant

[17日 ロイター] - 米国で長らくウォール街大手行の牙城と目されてきた投資銀行やトレーディングといった事業分野が今、中堅銀行にとっても重要度が高まってきている。M&A(企業合併・買収)が活況を呈する環境下で、手数料収入に妙味が出ているからだ。

中堅銀行の収益は、相対的な高金利による借り入れ需要減退が打撃だが、投資銀行事業の追い風がそうした逆風を払しょくする役割を果たしている。

LSEGがまとめたデータによると、このほど発表された直近四半期の決算でもシティズンズ・ファイナンシャルやトゥルーイスト・ファイナンシャル、ハンチントン・バンクシェアーズ、リージョンズ・ファイナンシャルといった中堅銀行はそろって、大手行並みに予想を超える利益を記録した。

USバンコープ、M&Tバンクも手数料収入が増加したおかげで、堅調な利益を確保している。

AJベルの金融分析責任者を務めるダニー・ヒューソン氏は「トランプ次期大統領が規制緩和と減税の約束を実行すれば、今年は銀行経営者の期待を大きく膨らませ続ける見通しだ」と述べた。

市場関係者の見立てでは、トランプ氏のそうした政策的なてこ入れを通じて企業がM&Aの推進に自信を強める可能性がある。

一方融資・リース残高はシティズンズ、トゥルーイスト、リージョンズのいずれも減少。金利がさらに低下しない限り、低調な推移が続く恐れがある。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

在欧州の米企業、トランプ新政権発足による関係悪化を

ワールド

トランプ氏就任式へのクアッド招待、「鉄の結束」示す

ビジネス

機械受注11月は前月比3.4%増、判断「持ち直しの

ワールド

中国、「教育強国」目指す10カ年計画発表=新華社
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 7
    メーガン妃とヘンリー王子の「山火事見物」に大ブー…
  • 8
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 7
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中