米中堅銀行、高まる投資銀事業の重要度 M&A活況で手数料収入増加
米国で長らくウォール街大手行の牙城と目されてきた投資銀行やトレーディングといった事業分野が今、中堅銀行にとっても重要度が高まってきている。写真は、マイアミの金融街として知られるブリッケル地区の風景。2023年2月、フロリダ州マイアミで撮影(2025年 ロイター/Marco Bello)
Manya Saini Niket Nishant
[17日 ロイター] - 米国で長らくウォール街大手行の牙城と目されてきた投資銀行やトレーディングといった事業分野が今、中堅銀行にとっても重要度が高まってきている。M&A(企業合併・買収)が活況を呈する環境下で、手数料収入に妙味が出ているからだ。
中堅銀行の収益は、相対的な高金利による借り入れ需要減退が打撃だが、投資銀行事業の追い風がそうした逆風を払しょくする役割を果たしている。
LSEGがまとめたデータによると、このほど発表された直近四半期の決算でもシティズンズ・ファイナンシャルやトゥルーイスト・ファイナンシャル、ハンチントン・バンクシェアーズ、リージョンズ・ファイナンシャルといった中堅銀行はそろって、大手行並みに予想を超える利益を記録した。
USバンコープ、M&Tバンクも手数料収入が増加したおかげで、堅調な利益を確保している。
AJベルの金融分析責任者を務めるダニー・ヒューソン氏は「トランプ次期大統領が規制緩和と減税の約束を実行すれば、今年は銀行経営者の期待を大きく膨らませ続ける見通しだ」と述べた。
市場関係者の見立てでは、トランプ氏のそうした政策的なてこ入れを通じて企業がM&Aの推進に自信を強める可能性がある。
一方融資・リース残高はシティズンズ、トゥルーイスト、リージョンズのいずれも減少。金利がさらに低下しない限り、低調な推移が続く恐れがある。
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