米銀幹部、トランプ次期政権への期待表明 決算は軒並み利益急増
1月15日、ウォールストリートの最高経営責任者(CEO)たちは、トランプ次期米政権がビジネスに友好的で、銀行にとって良いものになるとの自信を表明した。ニューヨーク証券取引所で2021年撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)
[ニューヨーク 15日 ロイター] - ウォールストリートの最高経営責任者(CEO)たちは15日、トランプ次期米政権がビジネスに友好的で、銀行にとって良いものになるとの自信を表明した。ディールメーキングやトレーディングが活発化する中、この日発表された大手銀行の決算は軒並み利益が大幅に増加した。
株式市場が活況を呈し、トランプ次期大統領が規制緩和と減税政策を打ち出すとの期待もあって、市況は銀行にとって既に好転している。
ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOは決算説明会で「米大統領選の結果を受けてCEOの信頼感が大きく変化した」と指摘。「スポンサーからの大量のバックログがあるほか、規制面の改善を背景に、ディールメークへの意欲が高まっている」と語った。
きょう決算を発表した米大手銀行の株価は総じて力強く上昇。ゴールドマン・サックスは6.1%高、JPモルガン・チェースは2%高、ウェルズ・ファーゴは7%高、シティは7.4%高となった。バンク・オブ・アメリカ(BofA)とモルガン・スタンレーは、16日に決算を発表する予定となっている。
アーガス・リサーチの銀行アナリスト、スティーブン・ビガー氏は「アニマルスピリッツが戻ってきた」とし「資本市場に大きなエクスポージャーを持つのに良い時期があり、今がその時期だ」と指摘した。
ゴールドマン・サックスの2024年第4・四半期(10─12月期)決算は、21年第3・四半期以来最大の収入を計上し、アナリスト予想も上回った。ディールメーキングや債券取引、株式トレーディング業務収入が伸びた。
JPモルガン・チェースの24年通年の利益は18%増の585億ドルと、過去最高に達した。第4・四半期に投資銀行部門やトレーディング事業が好調となったことが追い風となった。
ジェイミー・ダイモンCEOは「企業は経済に対してより楽観的であり、より成長促進的なアジェンダと政府と企業の協力関係改善が見込まれることに勇気づけられている」と語った。
ウェルズ・ファーゴの24年第4・四半期(10─12月期)決算は利益がアナリストの予想を上回った。ディールメーキングの回復が下支えとなった。
チャーリー・シャーフCEOはアナリストに対し「われわれは25年について楽観的に考えている。経済の強さに加えて、次期政権がビジネスフレンドリーなアプローチを取ると期待されるためだ」と述べた。
シティグループの第4・四半期(12月31日まで)決算は、市場部門や投資銀行部門の手数料収入が好調で予想を上回る増益となった。200億ドルの自社株買いプログラムも発表した。
オールスプリングのポートフォリオマネジャー、ネビル・ジャベリ氏は「銀行の利益は例外なく事前予想を上回った。環境は非常に有利だ。銀行株が今日、急伸したのはそのためだ」との見方を示している。
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