マネタリーベース、11月は3カ月連続減 残高は依然高水準
日銀が12月3日に発表した11月のマネタリーベースの平均残高は、前年比0.3%減の669兆7481億円だった。写真は円紙幣。2011年8月撮影(2024年 ロイター/Yuriko Nakao)
Tetsushi Kajimoto
[東京 3日 ロイター] - 日銀が3日に発表した11月のマネタリーベースの平均残高は、前年比0.3%減の669兆7481億円だった。国債買い入れ減額方針の下、日銀当座預金は2カ月連続で減少し、マネタリーベース全体でも3カ月連続の前年比マイナスとなった。ただ、残高は前月をわずかながら上回り、依然高水準を維持している。
内訳は、日銀当預が0.1%減の545兆4207億円。紙幣は1.0%減の119兆6401億円、貨幣は1.4%減の4兆6873億円だった。
日銀の担当者は「国債買い入れ減額によってマネタリーベースが減少している傾向に変わりはない」と説明した。
日銀は7月の金融政策決定会合で、国債買い入れ額をそれまでの月6兆円程度から、2026年1─3月に同3兆円に減らす方針を決めた。原則として、4半期ごとに4000億円ずつ減額している。
短資会社のアナリストは、きょうのデータを踏まえても国債買い入れは「それほど大きく減額されている印象はなく、あくまで自然減だ」との見方を示した。今後編成される補正予算に伴う国債増発は当座預金が減る要因となる可能性はあるが、「(マネタリーベースが)急激に減っていくことは想定しづらい。国債買い入れ額が減っても、高水準の残高は維持されるだろう」とみている。