ユーロ圏製造業PMI、11月改定45.2に急低下 見通し厳しい
12月2日、S&Pグローバルがまとめた11月のユーロ圏HCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は45.2と、10月の46.0から大幅に低下した。ブリュッセル近郊のチョコレート工場で5月撮影(2024年 ロイター/Yves Herman)
[ロンドン 2日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた11月のユーロ圏HCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は45.2と、10月の46.0から大幅に低下した。速報値から修正はなかった。
10月は安定化の兆しが見られたが、その後、需要が再び落ち込んでおり、早期回復への期待が後退する可能性が高い。
PMIは好不況の分かれ目となる50を2022年半ば以降、下回っている。
生産指数は10月の45.8から45.1に低下。
ハンブルク商業銀行のチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏は「ひどい結果に見える。ユーロ圏製造業の不況は永遠に終わらないように見える。新規受注が急速に、しかも加速度的に減少しているため、早期回復の兆しは全くない」と指摘。
「不況は広範囲に及び、ユーロ圏上位3カ国全てが打撃を受けている。ドイツとフランスが最悪で、イタリアもあまり良くない」と述べた。
値下げにもかかわらず需要全体が落ち込んでおり、人員削減ペースは新型コロナウイルス流行時以来の高水準となった。雇用指数は46.2から45.2に低下、2020年8月以降で最低となった。
外需の減少ペースも加速。トランプ次期米大統領が一律10%の関税を提案しているため、状況はさらに悪化する可能性が高い。