追加利下げの幅巡り意見分かれる 中立金利の見通しにくさに言及=FOMC議事要旨
11月26日、米連邦準備理事会(FRB)が公表した11月6─7日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨から、どの程度の追加利下げが必要かを巡って意見が分かれていたことが分かった。FRB本部で2008年3月撮影(2024年 ロイター/Jason Reed)
Howard Schneider
[ワシントン 26日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が26日公表した11月6─7日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨から、どの程度の追加利下げが必要かを巡って意見が分かれていたことが分かった。
一方、今後数週間の金融政策の展開について具体的な指針を控える時期であるとの点で見解が一致していたことも示された。
議事要旨には「参加者は金融政策の決定はあらかじめ定められた道筋にあるのではなく、経済の推移と見通しへの影響次第だと指摘した。政策スタンスを調整するに当たって、委員会がこの点を明確にすることが重要だと参加者は強調した」と記された。
参加者は、現在の政策決定の複雑さを指摘し、「多数の」参加者が最近の経済指標の変動幅が大きく、基調的な傾向を見極めることが重要であると述べた。
また、中立金利が見通しにくくなっており、現在の金利がどの程度実際の経済活動を抑制しているかの判断が難しいとも指摘した。
一部の参加者は、インフレ率が高止まりする場合には「委員会は政策金利の引き下げを一時停止し、抑制的な水準を維持できる」と指摘。また、「労働市場が弱まったり、経済活動が停滞したりした場合」には、引き下げを加速することも可能だと述べた。
「多数の」当局者は、金融政策の適正なスタンスを巡る不確実性があるために「金利引き下げを徐々に進めることが適切だ」と主張した。
11月5日の米大統領選の直後に開かれたFOMCでは、トランプ氏の大統領返り咲きが経済に与える影響に関する議論は避けたとみられる。
11月のFOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き下げ、4.50─4.75%とした。会合前に予想を上回る堅調な経済指標が発表されており、パウエル議長はFOMC後の記者会見で「注目に値する」と表現したものの、金融政策が経済をそれほど抑制していないのではないかとの懸念も持たれている。