気候変動ファンド、1―9月は240億ドルの純流出=モーニングスター
11月21日、米調査会社モーニングスター傘下のモーニングスター・サステナリティクスは、気候変動関連事業を手がける企業に投資する気候変動ファンドについて、全世界の今年1―9月の資金動向が240億ドル弱の純流出となり、年初来ベースで初めて流出額が流入額を上回ったと発表した。写真はボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで2017年4月撮影(2024 ロイター/Dado Ruvic)
Ross Kerber
[21日 ロイター] - 米調査会社モーニングスター傘下のモーニングスター・サステナリティクスは21日、気候変動関連事業を手がける企業に投資する気候変動ファンドについて、全世界の今年1―9月の資金動向が240億ドル弱の純流出となり、年初来ベースで初めて流出額が流入額を上回ったと発表した。
気候変動ファンドは2018年に独立したカテゴリーとして資金動向の集計が始まって以来、毎年純流入が続いている。ただ、純流入額は21年の1510億ドルがピークで、その後は22年が600億ドル、23年が400億ドルと減少傾向にある。
最近の資金流出の背景には再生可能エネルギー関連企業の株価低迷、気候変動対策に取り組んでいるように見せかける「グリーンウォッシング」への懸念、ESG(環境・社会・ガバナンス)への反発などがあるという。
モーニングスター・サステナリティクスでサステナブル投資研究部門を率いるホルテンス・ビオイ氏は、高い金利水準も太陽光発電関連など、金利の影響を受けやすい成長志向型企業の経営にとって逆風になっているとの見方を示した。
今年9月末時点における気候変動ファンドの運用総資産額は年初比6%増の5720億ドル。ファンドの拠点別の割合は欧州が約85%、中国が6%、米国が5%だった。
今年1―9月の新たな気候変動ファンドの立ち上げは69本。昨年は通年で200本余りだった。