米LCCのスピリット航空、連邦破産法申請 通常運行は継続
米フロリダ州を拠点とする格安航空会社(LCC)のスピリット航空は18日、ニューヨーク州の裁判所に連邦破産法第11条の適用を申請したと発表した。2023年6月撮影(2024年 ロイター/Benoit Tessier)
[18日 ロイター] - 米フロリダ州を拠点とする格安航空会社(LCC)のスピリット航空は18日、ニューヨーク州の裁判所に連邦破産法第11条の適用を申請したと発表した。赤字が続き、合併計画が頓挫する中で社債償還の期限が迫っていた。手続き中も通常通りの運航を続け、顧客は引き続き予約やフライトの利用が可能という。
米主要航空会社が連邦破産法第11条適用を申請するのは、この10年で初めて。今年1月に同業のジェットブルー航空との合併計画が破綻して以降、経営危機が深刻化していた。
破産申請前に、債権者との間で債務再編や運営資金調達に関する取り決めを交わし、既存の債権者から3億5000万ドルの株式投資の合意を得ているという。3億ドルの資金繰り支援も行われる予定で、破産手続きは2025年第1・四半期に終了を見込んでいる。
破産申請は従業員の賃金や福利厚生に影響せず、取引先や航空機リース会社への支払いも継続される。一方、数百人のパイロットを一時解雇したほか、航空機の納入延期や保有航空機の売却などコスト削減策も実施している。
スピリット航空は19年以来、通期決算で赤字が続いている。堅調な旅行需要にもかかわらず、今年上半期も約3億6000万ドルの損失を計上した。