シェブロンのヘス買収をFTCが承認、ヘス氏の取締役就任は禁止
9月30日、米連邦取引委員会(FTC)は、石油大手シェブロンが同業ヘスを530億ドルで買収する計画を正式承認した。2023年10月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
Jody Godoy
[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米連邦取引委員会(FTC)は30日、石油大手シェブロンが同業ヘスを530億ドルで買収する計画を正式承認した。ただその条件として、ヘスのジョン・ヘス最高経営責任者(CEO)がシェブロン取締役に加わることを禁止した。
シェブロンは昨年10月買収案を発表した際に、ヘス氏を取締役として迎える方針を表明。FTCは2カ月後、シェブロンに対して計画審査のための追加の情報提供を要請していた。
FTCは今回の決定について、カーン委員長を含む民主党の3人が賛成、共和党の2人が反対した。
多数派は、ヘス氏が石油輸出国機構(OPEC)加盟国と公私にわたって緊密な関係を築いている点を問題視し、同氏がシェブロン取締役になれば米国の石油会社がOPECと連携して原油価格引き上げに動く懸念が高まるとの見方を示した。
一方共和党の2人の委員は、政治的動機に基づく決定で、反トラスト法(独占禁止法)を適用する根拠に欠けていると主張した。
シェブロンのマイク・ワースCEOは、買収計画の承認を歓迎しつつ、ヘス氏の取締役就任が禁止されたことは残念だとコメントした。
FTCの承認により、シェブロンにとって買収完了に向けた最後のハードルになるのは、ヘスがガイアナに所有する油田権益を巡るエクソンモービルや中国海洋石油(CNOOC)との係争だ。仲裁に入るパリの国際商業会議所(ICC)が判断を下すのは来年と見込まれている。