ニュース速報
ビジネス

シェブロンのヘス買収をFTCが承認、ヘス氏の取締役就任は禁止

2024年10月01日(火)07時31分

 9月30日、米連邦取引委員会(FTC)は、石油大手シェブロンが同業ヘスを530億ドルで買収する計画を正式承認した。2023年10月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

Jody Godoy

[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米連邦取引委員会(FTC)は30日、石油大手シェブロンが同業ヘスを530億ドルで買収する計画を正式承認した。ただその条件として、ヘスのジョン・ヘス最高経営責任者(CEO)がシェブロン取締役に加わることを禁止した。

シェブロンは昨年10月買収案を発表した際に、ヘス氏を取締役として迎える方針を表明。FTCは2カ月後、シェブロンに対して計画審査のための追加の情報提供を要請していた。

FTCは今回の決定について、カーン委員長を含む民主党の3人が賛成、共和党の2人が反対した。

多数派は、ヘス氏が石油輸出国機構(OPEC)加盟国と公私にわたって緊密な関係を築いている点を問題視し、同氏がシェブロン取締役になれば米国の石油会社がOPECと連携して原油価格引き上げに動く懸念が高まるとの見方を示した。

一方共和党の2人の委員は、政治的動機に基づく決定で、反トラスト法(独占禁止法)を適用する根拠に欠けていると主張した。

シェブロンのマイク・ワースCEOは、買収計画の承認を歓迎しつつ、ヘス氏の取締役就任が禁止されたことは残念だとコメントした。

FTCの承認により、シェブロンにとって買収完了に向けた最後のハードルになるのは、ヘスがガイアナに所有する油田権益を巡るエクソンモービルや中国海洋石油(CNOOC)との係争だ。仲裁に入るパリの国際商業会議所(ICC)が判断を下すのは来年と見込まれている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中絶禁止の米ジョージア州法、州裁判所が差し止め

ワールド

米印、重要鉱物に関する協定に署名へ=関係者

ビジネス

米航空局、スペースXのファルコン9に飛行停止 3カ

ビジネス

米、中東へのAI半導体出荷促す新たな規則発表
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大谷の偉業
特集:大谷の偉業
2024年10月 8日号(10/ 1発売)

ドジャース地区優勝と初の「50-50」を達成した大谷翔平をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開
  • 2
    欧州でも「世紀の豪雨」が町を破壊した...100年に1度の記録的大雨「ボリス」
  • 3
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッション」に世界が驚いた瞬間が再び話題に
  • 4
    年収600万円、消費者金融の仕事は悪くなかったが、債…
  • 5
    「石破首相」を生んだ自民党総裁選のダイナミズムと…
  • 6
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 7
    南洋のシャチが、強烈な一撃でイルカを「空中に弾き…
  • 8
    朝日新聞の自民党「裏金」報道は優れた「スクープ」…
  • 9
    ジェットスキーのロシア兵を、FPVドローンが「排除」…
  • 10
    谷間が丸出し、ボディライン丸わかり...カイリー・ジ…
  • 1
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 2
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッション」に世界が驚いた瞬間が再び話題に
  • 3
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開
  • 4
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 5
    白米が玄米よりもヘルシーに
  • 6
    50年前にシングルマザーとなった女性は、いま荒川の…
  • 7
    中国で牛乳受難、国家推奨にもかかわらず消費者はそ…
  • 8
    メーガン妃に大打撃、「因縁の一件」とは?...キャサ…
  • 9
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感.…
  • 10
    【クイズ】「バッハ(Bach)」はドイツ語でどういう…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 4
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 5
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 6
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 9
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 10
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中