米PCE価格、7月前年比+2.5% 物価上昇緩やか 個人消費堅調
米商務省が30日発表した7月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.5%上昇し、前月と変わらずだった。ワシントン近郊のスーパーマーケットで2022年撮影。(2024年 ロイター/Sarah Silbiger/File Photo)
[ワシントン 30日 ロイター] - 米商務省が30日発表した7月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.5%上昇し、前月と変わらずだった。
前月比は0.2%上昇でエコノミスト予想と一致、6月は0.1%上昇で改定されなかった。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は0.2%上昇、6月と変わらずだった。前年比は2.6%上昇でこちらも前月と変わらず。
7月の個人消費支出は0.5%増でエコノミスト予想と一致、6月は0.3%増だった。
米連邦準備理事会(FRB)は、インフレ動向を見極める上でPCE価格を重視している。
市場ではFRBが9月に金融緩和に乗り出す際、0.5%ポイントの利下げを決めるとの見方もあるが、ブリアン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「FRBに0.5%ポイントの利下げを決定させるような材料は何もない」と言及。「支出の伸びは、景気後退(リセッション)と関連付けられるようなものではない」と指摘した。
<個人所得0.3%増、貯蓄率は低下>
消費支出は財(モノ)とサービスのいずれも増え、自動車・部品の支出が目立った。
労働市場の勢いは鈍化しているものの、賃金は伸びており、消費を下支えしている。労働市場の減速は、解雇ではなく、採用ペース鈍化の要因が大きい。
個人所得は0.3%増。前月は0.2%増えていた。賃金は0.3%上昇。前月は0.2%上昇だった。貯蓄率は2.9%と、前月の3.1%から低下し、2022年6月以来の低水準となった。貯蓄を減らして支出に充てられている。
フィッチ・レーティングスの米国経済調査責任者、オル・ソノラ氏は「個人消費は全ての予想をはるかに上回り続けている。経済が引き続き堅調なことが明確に示されている」と言及した。