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NY市場サマリー(26日)円急上昇一服、株価上昇 利回り低下

2024年07月27日(土)06時48分

<為替> ドルがほぼ変わらず。この日発表された6月個人消費支出(PCE)価格指数を受け、投資家らは米連邦準備理事会(FRB)による9月金融緩和への道筋は明確になったとみている。

ドル指数は0.04%安の104.29となった。

6月PCE価格指数は前年比2.5%上昇した。前月の2.6%から鈍化し、過去4カ月で最小の伸びとなった。  

このところ大きな動きを見せているドル/円は、終盤の取引で0.1%下落し153.77円。円は前日に1ドル=151.945円と約3カ月ぶりの高値に急騰したが、この日は大幅な上昇は一服した。

日銀とFRBは同じ7月30─31日に政策決定の会合を開く。米連邦公開市場委員会(FOMC)では据え置きが予想されているが、日銀はタカ派的な政策変更を行う可能性があるとみられている。市場は日銀による10ベーシスポイントの利上げの可能性を64%と織り込んでいる。

ユーロは0.13%高の1.0858ドル、英ポンドは0.17%高の1.2873ドルだった。 

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.32%高の6万7440.00ドルだった。

<債券> 指標となる10年国債利回りが1週間ぶりの低水準を付けた。6月の米個人消費支出(PCE)価格指数上昇率が鈍化したことを受けた。

金利動向に敏感な2年債利回りは5.4ベーシスポイント(bp)低下し4.389%となった。10年債利回りは5.6bp低下し4.2%。一時は7月19日以来の低水準となる4.19%を付ける場面があった。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス19bpだった。

6月PCE価格指数は前年比2.5%上昇した。前月の2.6%から鈍化し、過去4カ月で最小の伸びとなった。

今後は7月30─31日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。トレーダーらは、この会合で利下げが実施される可能性は極めて低いとみているが、9月の利下げ実施を巡る手がかりを探すことになるとみられる。

市場では、年末までに米連邦準備理事会(FRB)が2回の利下げを行うと織り込んでいるほか、3回目の利下げに踏み切る可能性もあるとみている。

<株式> 主要3指数が上昇して終了した。大型ハイテク株に買い戻しが入ったことに加え、インフレ関連の経済指標で米連邦準備理事会(FRB)による利下げが近いとの観測が高まったことで押し上げられた。

米国を代表するハイテク企業「マグニフィセント7」のうち5社が上昇。このうちメタ・プラットフォームズは2.7%上昇した。

ただテスラは0.2%安。23日に四半期決算を発表したグーグルの持ち株会社アルファベットも0.2%下落し、終値ベースで5月2日以来の安値を付けた。

マグニフィセント7の決算発表は来週も継続。BNPパリバの米国株式・デリバティブ戦略責任者、グレッグ・ブートル氏は「来週のアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタの発表で市場の方向性が決まる」との見方を示した。

ただ、この日の上昇を受けてもS&P総合500種とナスダック総合は週間ベースでは下落した。

ダウ工業株30種は週間ベースでも上昇。この日の取引では複合企業スリーエム(3M)がダウの上昇けん引。3Mは、通年の調整後利益見通しレンジの下限を引き上げたことが好感され、23%上昇した。

商務省が発表した6月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.5%上昇。前月の2.6%から鈍化し、過去4カ月で最小の伸びとなった。これを受け、米連邦準備理事会(FRB)は9月に利下げに着手するとの観測が強まった。

CMEフェドウオッチによると、FRBが9月に0.25%ポイントの利下げを決定する確率は88%。LSEGによると、市場ではFRBは年内に2回の利下げを実施すると予想されている。

個別銘柄では、油田サービス大手ベーカー・ヒューズが5.8%高。前日発表の第2・四半期決算は、海外市場で石油・ガス掘削関連サービスや機器が好調だったことで、利益が予想を上回った。

<金先物> 米長期金利の低下や対ユーロでのドル安を背景に、反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比27.50ドル(1.17%)高の1オンス=2381.00ドル。週間では0.75%安となった。

米商務省が朝方発表した6月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.5 %上昇した。インフレの鈍化基調が示唆されたことから、米早期利下げ期待を後押しする内容と受け止められ、米長期金利が低下。対ユーロでドルが下落し、ドル建てで取引される商品の割安感が意識され、買いが優勢となった。前日に2%超安となった反動で安値拾いの買いが入ったことも、相場を下支えた。

<米原油先物> エネルギー需要見通しに警戒感が強まる中で売りが優勢となり、反落した。米国 産標準油種WTIの中心限月9月物は前日清算値(終値に相当)比1.12ドル(1.4 3%)安の1バレル=77.16ドルだった。10月物は1.11ドル安の76.00ド ル。

エネルギー消費大国である中国の景気先行き懸念が強まる中、原油は売りが優勢となった。中国人民銀行(中央銀行)は25日、注目金利の一つである中期貸出制度(MLF) 1年物の金利を予想外に引き下げた。

また、パレスチナ自治区ガザをめぐる停戦交渉の妥協が近いとの期待も相場を引き続き圧迫。

米商務省が26日発表した6月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.5 %上昇と、市場の予想通りだった。一方、コア指数は2.6%上昇だったが、相場の反応は限定的だった。

ドル/円 NY終値 153.72/153.73

始値 154.55

高値 154.73

安値 153.15

ユーロ/ドル NY終値 1.0857/1.0861

始値 1.0854

高値 1.0868

安値 1.0851

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 102*25.50 4.4542%

前営業日終値 102*01.00 4.5000%

10年債(指標銘柄) 17時05分 101*14.00 4.1939%

前営業日終値 100*30.00 4.2560%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*21.00 4.0767%

前営業日終値 99*11.25 4.1450%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.25 4.3873%

前営業日終値 99*27.88 4.4430%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 40589.34 +654.27 +1.64

前営業日終値 39935.07

ナスダック総合 17357.88 +176.16 +1.03

前営業日終値 17181.72

S&P総合500種 5459.10 +59.88 +1.11

前営業日終値 5399.22

COMEX金 8月限 2381.0 +27.5

前営業日終値 2353.5

COMEX銀 9月限 2802.0 +4.5

前営業日終値 2797.5

北海ブレント 9月限 81.13 ‐1.24

前営業日終値 82.37

米WTI先物 9月限 77.16 ‐1.12

前営業日終値 78.28

CRB商品指数 277.3958 ‐2.2951

前営業日終値 279.6909

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