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東北新社「特別委の判断尊重し検討」、3Dが1株600―650円で非公開化提案

2024年07月25日(木)14時14分

Ritsuko Shimizu

[東京 25日 ロイター] - シンガポールの投資会社3Dインベストメント・パートナーズは25日、東北新社に対して1株600―650円で株式の非公開化を提案したと発表した。

東北新社は同日、非公開化提案に1株600─650円の公開買付価格が含まれていたのは事実とのコメントを公表。同社が設置した特別委員会の判断内容を尊重して意思決定するとした。

東証は東北新社株を25日朝から売買停止にしていたが、コメントを受けて取引を再開した。

3Dによる企業価値向上策に対しては、東北新社の「従業員有志一同」から賛同の意見が出されている。従業員の一部は、現在の経営体制・経営方針を維持した場合、企業の成長性が損なわれる可能性が非常に高いと懸念を表明している。

3Dは非公開化の提案理由として、東北新社が企業価値を向上させるには、「3Dが過半株主として経営陣と一体となって大胆かつ迅速に経営していくことが有効な手段との考えるに至った」と説明。東北新社が上場維持基準に抵触している中で、既存株主に売却の機会を提供することもできるとしている。

東北新社は流通株式比率が25%以下と低く、3月31日時点で東証スタンダード市場の上場維持基準に抵触しており、現在も続いているとみられる。

東北新社は創業家が過半の株式を保有しており、この提案を実施するには、非公開化の枠組みや非公開後の経営方針などについて3Dと経営陣との合意が必要となる。3Dは、東北新社が設置した特別委員会の質問に答えるなどの対応を行った後、取締役会の決議を経ることを非公開化提案実施の前提条件としている。

3Dは3月19日時点で東北新社株17.65%を保有している。

(清水律子、武藤邦子)

ロイター
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