ニュース速報
ビジネス

NY外為市場=円、対ドルで38年ぶり安値 低調な米指標はドル圧迫

2024年07月04日(木)05時46分

ニューヨーク外為市場では、円が対ドルで38年ぶりの安値を更新。2022年7月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、円が対ドルで38年ぶりの安値を更新。対ユーロでも過去最安値に沈んだ。円は下落基調にあり、政府・日銀によるドル売り/円買い介入への警戒感が一段と高まっている。

ドルも下落した。予想を下回る米経済指標を受け、連邦準備理事会(FRB)による年内利下げ観測が高まったことが背景。

この日に発表された6月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は15万人増と市場予想の16万人増を下回る伸びとなった。また、米労働省が発表した6月29日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比4000件増の23万8000件となり、労働市場の状況が緩和しつつある兆候が示唆された。さらに、6月の非製造業総合指数が48.8と、5月の53.8から低下し、新規受注指数が前月の54.1から47.3に大幅低下したこともドルの重しとなった。

マネックスUSAのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は「日銀はFRBが金利を引き下げ、当局が『ビナイン・ネグレクト(優雅なる沈黙)』政策を取るまで待たなければならないかもしれない」と述べた。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.2%安の105.41。一時、3週間ぶりの安値を付ける場面もあった。

ドル/円は0.1%高の161.64円。一時、1ドル=161.96円と1986年12月以来となる円安・ドル高水準を付けた。

円は対ユーロで0.4%安の174.22円。一時、174.48円まで下落し、最安値を更新した。

ユーロは対ドルで一時3週間ぶり高値を付けた後、0.3%高の1.0781ドルで推移した。

LSEGのデータによると、一連の米指標を受け、米金利先物は9月の利下げ確率を74%と織り込んだ。前日終盤時点では69%だった。また、年内に2回の利下げが実施されるとの予想も織り込んでいる。

市場では5日に発表予定の雇用統計に注目が集まる。

ドル/円 NY午後4時 161.69/161.71

始値 161.93

高値 161.99

安値 160.79

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0783/1.0787

始値 1.0757

高値 1.0816

安値 1.0756

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン氏、選挙戦継続を強調 認知力検査の受診には

ワールド

アングル:インド経済最大のリスクは「水」、高成長の

ワールド

アングル:忍び寄る「ヒトからヒト」へ、科学者が恐れ

ワールド

英スターマー新首相、組閣に着手 女性初の財務相にリ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVの実力
特集:中国EVの実力
2024年7月 9日号(7/ 2発売)

欧米の包囲網と販売減速に直面した「進撃の中華EV」のリアルな現在地

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 2
    携帯契約での「読み取り義務化」は、マイナンバーカードの「基本概念」を根本的にひっくり返す悪手だ
  • 3
    「黒焦げにした」ロシアの軍用車10数両をウクライナ部隊が爆破...ドローン攻撃の「決定的瞬間」が公開される
  • 4
    「下手な女優」役でナタリー・ポートマンに勝てる者…
  • 5
    ドネツク州でロシア戦闘車列への大規模攻撃...対戦車…
  • 6
    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…
  • 7
    和歌山カレー事件は冤罪か?『マミー』を観れば死刑…
  • 8
    「天井に人が刺さった」「垂直に落ちた」── 再び起き…
  • 9
    観光客向け「ギャングツアー」まであるロサンゼルス.…
  • 10
    この「自爆ドローンでロシア軍撃破の瞬間」映像が「…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 3
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「帰ってきた白の王妃」とは?
  • 4
    携帯契約での「読み取り義務化」は、マイナンバーカ…
  • 5
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」.…
  • 6
    黒海艦隊撃破の拠点になったズミイヌイ島(スネーク…
  • 7
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 8
    H3ロケット3号機打ち上げ成功、「だいち4号」にかか…
  • 9
    キャサリン妃も着用したティアラをソフィー妃も...「…
  • 10
    「地球温暖化を最も恐れているのは中国国民」と欧州…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 3
    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア
  • 4
    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 5
    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…
  • 6
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 7
    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…
  • 8
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地.…
  • 9
    携帯契約での「読み取り義務化」は、マイナンバーカ…
  • 10
    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中