NZ乳業最大手フォンテラ、海外消費者向け事業撤退を視野
5月16日、ニュージーランド乳業最大手フォンテラは、乳固形分事業に経営資源を集中的に投下する方針を発表した。写真は同社のロゴ。ニュージーランドのハミルトンで2013年8月撮影(2024 ロイター/Nigel Marple)
[16日 ロイター] - ニュージーランド乳業最大手フォンテラは16日、乳固形分事業に経営資源を集中的に投下する方針を発表した。世界的な消費者向け事業やオセアニア、スリランカ事業からの撤退を視野に、部分売却か完全売却を計画している。
売却検討事業は24年度上半期のグループ全体の営業利益に約19%に寄与する見通しだが、同社は経営戦略を見直し、乳製品成分や食材事業サービスの企業間取引(B2B)部門の成長に注力する考えだ。これらは2023年度にはニュージーランド産の乳固形物売上高の約93%を占めていた。
また同社は、30年度までの長期経営計画で掲げた営業利益の21年度比40―50%増や、グループの資本利益率(ROC)の9─10%達成などの長期目標も撤回した。
海外展開を巡っては、株主の農家1万人がコスト上昇と負債増大に抗議していた。同社はこれを受けて過去数年間、ニュージーランドでの中核事業に重点を移していた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う各種規制や、フォンテラにとっての最大市場である中国の出生率低下などのため利益と株価が圧迫され、業績回復に手間取っていた。