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イオン、上期営業益は過去最高 GMSなど小売事業がけん引

10月11日 イオンが11日発表した2023年3─8月期の連結営業利益は前年同期比22.7%増の1176億円だった。写真はイオンのロゴで、2013年1月に都内で撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)
Ritsuko Shimizu
[東京 11日 ロイター] - イオンが11日発表した2023年3─8月期の連結営業利益は前年同期比22.7%増の1176億円と過去最高を更新した。総合スーパー事業(GMS)が2013年以来、上期として10期ぶりに黒字となるなど、GMS、スーパーマーケット、ディスカウントストアの各事業が計画に対して上振れ、小売りが業績をけん引する形となった。
吉田昭夫社長は決算会見で「インフレ環境に対応できた商品機能、コロナ後の環境変化へのマルチフォーマット(多様な業態)での適応で増収増益が実現できた決算」と総括した。
食品などの値上げが相次ぐ中、プライベートブランド(PB)商品の売上高が伸長。トップバリュの上期売上高は前年同期比10%増の4800億円となり、年間で1兆円の大台が視野に入ってきた。また、電気代や人件費などのコスト上昇分は、省エネ投資やデジタル化による業務効率化でカバーした。デジタル化としてセルフレジや電子棚札導入を進めている。電子棚札は今期中に約400店舗で導入を完了し、来期は一気に拡大する計画。
吉田社長は、インフレや賃上げ機運が高まり、超低金利が変化する可能性などの環境変化の下、消費者の購買行動の2極化、商品選別の目はよりシビアになっていると指摘。「環境変化の潮目となるこのタイミングは、企業間格差が生まれやすく、インフレ対応力が企業の盛衰を決めるかじ取りが難しい環境」との認識を示したうえで、インフレ時は、イオンのスケールメリットなどが生かせるタイミングだと述べた。
24年2月期の営業利益予想2200億円(前年比4.9%増)は据え置いた。IBESがまとめたアナリスト8人のコンセンサス予想平均値は2332億円だった。江川敬明執行役は「見通しは十分達成できるとみている」としたうえで「9-11月期は利益を上げにくい四半期。ここを乗り切ることが大事」と述べた。下期に向けては、PBの成長と生産性の向上がポイントになるとした。