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中国大手銀、政府の不動産部門支援指導に利ざや縮小の苦難
9月7日、中国の大手国有銀行は政府から債務と資金難に苦しむ重要な不動産部門への支援要請を受けて貸し出しを進める覚悟だが、ここ数か月では一連の利下げも発表されており、今年下期の銀行勢の利ざやは縮小不可避の見通しだ。写真は金融地区を臨む上海で6月撮影(2022年 ロイター/Aly Song )
[北京 6日 ロイター] - 中国の大手国有銀行は政府から債務と資金難に苦しむ重要な不動産部門への支援要請を受けて貸し出しを進める覚悟だが、ここ数か月では一連の利下げも発表されており、今年下期の銀行勢の利ざやは縮小不可避の見通しだ。銀行やアナリストの話やデータで明らかになった。
5大国有銀は先月に発表した4─6月期決算でいずれもある程度の増益を発表した。しかし、中国建設銀行と中国農業銀行と交通銀行とバンク・オブ・チャイナ(中国銀行)の4行はそれぞれ先月の決算発表時に、利ざや縮小を警告。
アナリスト予想に基づくリフィニティブのデータによると、純金利マージンは中国銀行で6月末に1.76%だったが、通年では1.71%に下がる見通し。建設銀行は2.09%が2.08%に低下すると予想されている。
4─6月期決算では既に中国工商銀行と建設銀行、農業銀行、交通銀行が純利ざやが低下していることを明らかにした。
中国ではコロナ感染予防のロックダウン(都市封鎖)と不動産不況が消費者心理や企業心理を大きく損ない、4─6月期の経済成長率もかろうじてマイナス成長を回避した状態にある。基準金利引き下げで銀行は資産利回りが低下するのに、預金獲得競争は引き続き激しい。アナリストは純利ざやが一段と圧迫される展開を予想する。
ナティクシスのアリシア・ガルシア・ヘレロ首席エコノミスト(アジア太平洋担当)は政府から銀行への不動産部門支援の指導について「最悪のタイミングだと思う。金利は低下基調にあって純利ざやは縮小しており、銀行の余力はずっと小さくなっているからだ」と話した。
中国銀行の劉金頭取も先週、決算会見で「銀行業はこれから純利ざやの縮小圧力に直面していくだろう」と厳しい状況を認めている。