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日経平均は大幅続落、円高嫌気で売られ本格調整の様相

2020年07月31日(金)12時08分

 7月31日、前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比418円25銭安の2万1920円98銭となり、大幅続落となった。写真は2017年9月、都内で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 31日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比418円25銭安の2万1920円98銭となり、大幅続落となった。外為市場でドル/円が円高に振れたことが嫌気され、輸出関連株を中心に終始売り優勢の展開。決算の内容が悪かった銘柄も売り込まれた。時間外取引で米株先物は堅調に推移しているものの、下支え要因になっていない。日経平均の日足チャートは完全に下放れのパターンとなり、本格的な調整局面の様相を強くしている。

30日の米国株式市場は、ダウ平均株価<.DJI>が225ドル安で取引を終了。さえない経済指標が売りを誘ったほか、トランプ大統領が大統領選延期の可能性に言及したことで、市場心理が悪化した。ハイテク株の多いナスダック総合指数<.IXIC>はプラス圏で引けた。

一方、外為市場ではドル/円が104円台前半まで円高に振れ「輸出型企業の決算で悪化するものが目立つ中で、円高への警戒はとても強い」(国内証券)との声が聞かれるなど、市場のセンチメントを悪化させている。アドバンテスト<6857.T>がストップ安に沈んだのをはじめ、これまで業績上向きが見込まれていた銘柄に期待を裏切るものが目立ってきたことも場の雰囲気を悪化させた。

TOPIXは1.80%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆2235億5600万円と商いは膨らんでいる。東証33業種では、電気・ガス業を除いた32業種が値下がりした。

個別では、トヨタ自動車<7203.T>、ソニー<6758.T>など主力の輸出関連株が総じてさえないほか、パナソニック<6752.T>、コマツ<6301.T>など決算内容が悪かった銘柄が大きく下落。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>も軟化し、自社株買いが好感され朝方は買われて始まったソフトバンクグループ <9984.T>も値を消した。半面、業績見通しの上方修正を発表した味の素<2802.T>が大幅上昇した。

東証1部の騰落数は、値上がりが201銘柄、値下がりが1948銘柄、変わらずが23銘柄だった。

日経平均は下げ幅拡大。外為市場でドル/円が104円台前半まで円高に振れたことが嫌気され、見送り気分が支配している。市場関係者によると、「輸出型企業の決算で悪化するものが目立つ中で、円高への警戒はとても強い様子だ。時間外取引における米株先物の堅調や後場の日銀ETF買いへの期待など下支え要因はあるが、これらで支え切れていない」(国内証券)という。

日経平均は300円超に下げ幅を拡大し、一時、節目の2万2000円を割り込んだ。市場からは「全体相場を大きく押し下げるような新たな材料は出ていないが、ドル安/円高がじわりと進んでいることや国内企業もさえない決算が続き、積極的に買うのは難しい局面」(ストラテジスト)との声が出ている。

個別企業ではアドバンテスト<6857.T>が大幅安となり、現在、日経平均を1銘柄で約72円押し下げる要因となっている。前日の決算発表で2021年3月期の営業利益が前年比23.3%減になりそうだと公表。これまで半導体関連株として好業績が期待されていたため、失望売りを誘う格好となった。

寄り付きの東京株式市場で、日経平均は前営業日比71円64銭安の2万2267円59銭となり、続落した。オーバーナイトの米国株市場でダウとS&P総合500種が反落。外為市場もドル/円が104円半ばと円高基調で、幅広い業種で売りが先行している。

週末で手控えムードも広がりやすく、マイナス圏で推移する時間が長いとみられている。国内は主要企業の決算発表が続いており、足元の業績やガイダンスを手掛かりにした売買が目立つ。

市場関係者によると、寄り前の板状況は、トヨタ自動車<7203.T>、キヤノン<7751.T>の売り買いが拮抗している。ホンダ<7267.T>、ソニー<6758.T>は売り優勢。

前日決算発表したパナソニック<6752.T>、アドバンテスト<6857.T>、コマツ<6301.T>は売り優勢。

指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>は売り買い拮抗、ファナック<6954.T>は買い優勢となっている。

メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>が売り買い拮抗している。

*内容を追加します

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