ニュース速報

ビジネス

労働市場へのコロナ打撃、南北アメリカが最大=ILO報告書

2020年05月28日(木)00時39分

国際労働機関(ILO)は27日、新型コロナウイルス流行により4月から6月の間に世界中で3億500万人が失業すると試算し、そのうち南北米大陸の打撃が最も大きいとの見方を示した。写真はアーカンソー州フォートスミスで失業保険申請に並ぶ市民ら。4月撮影(2019年 ロイター/NICK OXFORD)

[ジュネーブ 27日 ロイター] - 国際労働機関(ILO)は27日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により4月から6月の間に世界中で3億500万人が失業すると試算し、そのうち南北米大陸の打撃が最も大きいとの見方を示した。

ILOはまた、感染拡大により若年層が「ロックダウン(都市封鎖)世代」となる恐れがあると指摘した。こうした世代は少なくとも10年間は労働市場での遅れを取り戻すために苦労することになる。

第2・四半期の失業者数は前月の予測から改定しなかった。失業者数は労働時間をパンデミック前と比較して算出している。

ライダー事務局長は記者会見で、南北米大陸について第1・四半期は労働市場への影響が一番小さい地域とみられていたが、第2・四半期は労働時間が13.1%減と打撃が最も大きくなる見通しだと述べた。感染拡大の中心地となったことによるという。

ライダー氏は、労働市場の影響が若年層に偏っているとし、「非常に不安視している」と指摘。「危険なのは若者への影響が10年以上残ることだ。生涯を通し雇用の軌道に影響することとなる」と述べた。

ILOによると、感染拡大が始まって以降、若年の労働者のうち約6人に1人が失業した。

米国とブラジル特有の問題にも言及。雇用政策局のリー・サンギョン局長は、封鎖措置を緩和している他国は労働市場が緩やかに回復し始めたものの、米国の労働市場では困難が続いているとし、懸念を示した。ブラジルに関しては、「パンデミックの道筋と、それに対応するための雇用環境対策を取る余地について不安材料がある」と述べた。

第1・四半期の失業者試算は700万人引き上げ、1億3500万人とした。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

企業向けサービス価格、2月は3%上昇 人件費などコ

ビジネス

中国CATLの香港上場承認、調達額少なくとも50億

ビジネス

食品高騰、外食への波及続くなど影響出れば利上げで対

ワールド

トルコで連日抗議デモ、過去10年で最大規模 集会禁
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 5
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 6
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 7
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 8
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 9
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 10
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中