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労働市場へのコロナ打撃、南北アメリカが最大=ILO報告書
国際労働機関(ILO)は27日、新型コロナウイルス流行により4月から6月の間に世界中で3億500万人が失業すると試算し、そのうち南北米大陸の打撃が最も大きいとの見方を示した。写真はアーカンソー州フォートスミスで失業保険申請に並ぶ市民ら。4月撮影(2019年 ロイター/NICK OXFORD)
[ジュネーブ 27日 ロイター] - 国際労働機関(ILO)は27日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により4月から6月の間に世界中で3億500万人が失業すると試算し、そのうち南北米大陸の打撃が最も大きいとの見方を示した。
ILOはまた、感染拡大により若年層が「ロックダウン(都市封鎖)世代」となる恐れがあると指摘した。こうした世代は少なくとも10年間は労働市場での遅れを取り戻すために苦労することになる。
第2・四半期の失業者数は前月の予測から改定しなかった。失業者数は労働時間をパンデミック前と比較して算出している。
ライダー事務局長は記者会見で、南北米大陸について第1・四半期は労働市場への影響が一番小さい地域とみられていたが、第2・四半期は労働時間が13.1%減と打撃が最も大きくなる見通しだと述べた。感染拡大の中心地となったことによるという。
ライダー氏は、労働市場の影響が若年層に偏っているとし、「非常に不安視している」と指摘。「危険なのは若者への影響が10年以上残ることだ。生涯を通し雇用の軌道に影響することとなる」と述べた。
ILOによると、感染拡大が始まって以降、若年の労働者のうち約6人に1人が失業した。
米国とブラジル特有の問題にも言及。雇用政策局のリー・サンギョン局長は、封鎖措置を緩和している他国は労働市場が緩やかに回復し始めたものの、米国の労働市場では困難が続いているとし、懸念を示した。ブラジルに関しては、「パンデミックの道筋と、それに対応するための雇用環境対策を取る余地について不安材料がある」と述べた。
第1・四半期の失業者試算は700万人引き上げ、1億3500万人とした。