ニュース速報

ビジネス

ドル指数10日ぶり安値、米利下げ継続か見極め=NY市場

2019年11月01日(金)06時03分

ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が前日の利下げに続き今後も緩和を続けるのか見極めようとする動きが出る中、ドル指数が10日ぶりの安値を付けた。ブダペストで9月撮影(2019年 ロイター/BERNADETT SZABO)

[ニューヨーク 31日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が前日の利下げに続き今後も緩和を続けるのか見極めようとする動きが出る中、ドル指数が10日ぶりの安値を付けた。ユーロ圏の経済成長率が予想を上回ったこともドルの押し下げ要因となった。

FRBは前日まで2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りに25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定。ただFOMC声明で、景気拡大を維持するために「適切に行動する」との文言を、「適切な道筋を見極めるに当たり、経済の見通しについて今後もたらされる情報の意味合いを引き続き注意深く監視する」に変更し、利下げ休止の可能性を示唆した。

米中貿易戦争の着地点が見えない中、市場では米経済の減速が引き続き懸念されている。フィデリティ・インターナショナル(ロンドン)のポートフォリオ・マネジャー、テイム・フォスター氏は「新たな文言からFRBが選択肢を残そうとしていることが読み取れる。これによりデータに依存するモードに逆戻りした」と指摘。「ただ状況次第でFRBの選択肢は狭められた可能性もある」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時97.22と、10月21日以来の水準に低下。その後は0.29%安の97.36となっている。前日は10月17日以来の高値となる98.00まで上昇していた。

米中通商協議を巡ってはブルームバーグがこの日、匿名の関係筋の話として、中国はトランプ米大統領と長期的で包括的な通商合意を結べるのか疑問視していると報道。これを受け米中通商合意への期待がしぼみ、安全通貨とされる円は2週間ぶり高値を更新した。

この日発表の経済指標では、欧州連合(EU)統計局発表した第3・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値が前期比0.2%増と、ロイターがまとめたエコノミスト予想(0.1%増)を上回った。

米商務省発表の9月の個人消費支出(季節調整済み)は、前月比0.2%増と小幅に伸びた。

市場では翌11月1日に発表される10月の米雇用統計が注目されている。

ドル/円 NY終値 108.02/108.05

始値 108.27

高値 108.32

安値 107.94

ユーロ/ドル NY終値 1.1150/1.1154

始値 1.1154

高値 1.1164

安値 1.1132

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

NATOプレゼンス強化へ、バルト海ケーブル損傷 エ

ビジネス

キャシー・ウッド氏、トランプ効果の広がり期待 減税

ビジネス

タイ、グローバル・ミニマム課税導入へ 来年1月1日

ワールド

中国、食料安全保障で農業への財政支援強化へ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 2
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3個分の軍艦島での「荒くれた心身を癒す」スナックに遊郭も
  • 3
    なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健康食品」もリスク要因に【研究者に聞く】
  • 4
    わが子の亡骸を17日間離さなかったシャチに新しい赤…
  • 5
    ロシア軍の「重要」飛行場を夜間に襲撃...ウクライナ…
  • 6
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 7
    地下鉄で火をつけられた女性を「誰も助けず携帯で撮…
  • 8
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    「不法移民の公開処刑」を動画で再現...波紋を呼ぶ過…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 5
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 6
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 9
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 10
    なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中