ニュース速報

ビジネス

アングル:アジア株、企業業績失望誘い数カ月は低迷か

2018年04月14日(土)13時31分

4月12日、アジア企業は2017年の収益が予想に届かず、今年も下方修正が進んでいるため、アジア株は今後数カ月低迷する可能性がある。写真はスリランカでの証券取引所で2016年3月撮影(2018年 ロイター/Dinuka Liyanawatte)

[12日 ロイター] - アジア企業は2017年の収益が予想に届かず、今年も下方修正が進んでいるため、アジア株は今後数カ月低迷する可能性がある。

昨年は世界経済の同時成長、低インフレ、コモディティ価格の上昇と好条件がそろって業績見通しが大幅に上方修正され、アジア株は世界屈指の上昇率を示した。

しかし実際の業績は予想に届かず、アナリストは今、ハイテクや鉱工業セクターを中心に2018年の業績見通しを下方修正している。

MSCIアジア太平洋株価指数(日本を除く)<.MIAPJ0000PUS>は昨年33.5%も上昇したが、今年初めからは0.18%の上昇にとどまっている。

トムソン・ロイターのデータでは、昨年は日本を除くアジア企業の62%で業績が予想に届かなかった。この割合は少なくとも7年ぶりの大きさ。

アナリストによると、昨年末にハイテク製品への需要が減少したことと、消費者・製造業セクターで投入コストが上がったことが利益を圧迫した。

HSBCのアジア株式ストラテジー責任者、ハラルド・ファン・デル・リンデ氏は、今年のアジア株の上昇率見通しを年初時点の15%から12%に下方修正。リポートで「アジア企業の利益上方修正サイクルは終わった」と指摘した上で、金利上昇と貿易紛争が下振れリスクをもたらしていると付け加えた。

米中貿易摩擦などのリスク要因にもかかわらず、アジア株の予想株価収益率(PER)は13.7倍と、10年平均13.2倍を上回っている。特にPERが高いのはインド、インドネシア、フィリピンだ。

ドイチェ・アセット・マネジメントのアジア太平洋担当最高投資責任者、ショーン・テーラー氏は、貿易摩擦、米金利の上昇、市場のボラティリティ上昇に加え、ドルが現水準から上昇する可能性もあるため、PERは今後低下するとの見通しを示した。

(Patturaja Murugaboopathy記者 Gaurav Dogra記者)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マクドナルド、第4四半期米既存店売上高が予想以上の

ビジネス

米鉄鋼・アルミ株が急伸、トランプ氏の関税受け

ワールド

ダライ・ラマが「正しい道に戻る」よう望む、14世の

ワールド

パリでAIサミット開催、技術革新と安全なAI活用議
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大反発を買う...「イメージアップを図るため」
  • 2
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉妹で一番かわいがられるのは?
  • 3
    「だから嫌われる...」メーガンの新番組、公開前から大炎上の納得理由
  • 4
    極めて珍しい「黒いオオカミ」をカメラが捉える...ポ…
  • 5
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 6
    睡眠中に体内は大掃除されている...「寝ているあいだ…
  • 7
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 8
    36年ぶりの「絶頂シーン」...メグ・ライアンの「あえ…
  • 9
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 5
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 6
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 7
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 8
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 9
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 10
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中