ニュース速報

ビジネス

ドル106円後半で様子見、シリア情勢警戒  

2018年04月12日(木)15時53分

 4月12日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル高/円安の106円後半だった。米国によるシリア空爆のリスクが意識される中、様子見ムードが市場を支配した。写真は昨年6月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)

[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル高/円安の106円後半だった。米国によるシリア空爆のリスクが意識される中、様子見ムードが市場を支配した。

午前のドルは、日経平均がプラス転換したタイミングで106.93円まで上昇したが、その後、株価が小幅なマイナスで前引けとなり、ドル買いのモメンタムも後退した。

中国商務省の報道官は定例会見で、習近平国家主席の今週の演説が通商問題における米国への譲歩だとするのは語弊があると発言。主席は中国の改革開放戦略の要点を述べたにすぎず、米国との貿易摩擦とは無関係だと述べた。

また、中国は米国との貿易問題がエスカレートした場合の準備が十分できており、ちゅうちょなく反撃すると警告した。[nL3N1RP1T4]為替市場の反応は限定的だったが、「米中貿易摩擦が緩和する方向でみていた参加者にとっては残念なニュース」(外国銀)となった。

午後のドルは、目立ったニュースがない中、午前の高値を上抜け、106.97円まで上昇した。

シリア情勢の緊迫化が警戒されるものの、前日、米国の消費者物価指数(CPI)と米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表後にドル買いとなる場面があり、「ドル/円の地合いはまだ上方向」(国内金融機関)との声も出ていた。

日銀は4月の地域経済報告(さくらリポート)を公表し、全9地域のうち四国と九州・沖縄の2地域で景気判断を引き上げた。同報告について日銀幹部は「米国の関税引き上げに伴う通商面への悪影響を懸念する声が多かった」、「為替など金融市場の動きが気掛かりとみる企業も少なからずあった」などと指摘している。

トランプ米政権は昨年4月、アサド政権軍の支配下にある空軍基地に対して巡航ミサイルによる攻撃を行った。この際、リスク回避ムードが強まって円高に振れた経緯があり、仮に今回軍事行動が展開された場合、ドル/円は下落するとみられる。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 106.92/94 1.2355/59 132.12/16

午前9時現在 106.81/83 1.2369/73 132.15/19

NY午後5時 106.78/81 1.2365/69 132.06/10

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏「ウクライナに耳を傾けて」、会談決裂

ワールド

インド10─12月GDP、前年比+6.2%に加速 

ビジネス

中国2月製造業PMIは50.1、3カ月ぶり高水準 

ワールド

韓国輸出、2月は1%増に回復も予想下回る トランプ
MAGAZINE
特集:破壊王マスク
特集:破壊王マスク
2025年3月 4日号(2/26発売)

「政府効率化省」トップとして米政府機関に大ナタ。イーロン・マスクは救世主か、破壊神か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性【最新研究】
  • 3
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 4
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 5
    米ロ連携の「ゼレンスキーおろし」をウクライナ議会…
  • 6
    米ウクライナ首脳会談「決裂」...米国内の反応 「ト…
  • 7
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 8
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 3
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映像...嬉しそうな姿に感動する人が続出
  • 4
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 5
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
  • 6
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 7
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 8
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 9
    日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 3
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中