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底堅い米経済、州別にみると景気回復はまだら模様

2017年04月07日(金)18時54分

 4月6日、雇用拡大や株価の大幅上昇を背景に、米経済は底堅く推移している。ただ、州ごとにみると、まだら模様の景気回復が浮かび上がってくる。ロサンゼルスのダウンタウンで2月撮影(2017年 ロイター/Mike Blake)

[サンフランシスコ 6日 ロイター] - 雇用拡大や株価の大幅上昇を背景に、米経済は底堅く推移している。ただ、州ごとにみると、まだら模様の景気回復が浮かび上がってくる。好景気の恩恵を受けている州もあれば、2008年の金融危機以降に膨れ上がった財政赤字の削減がいっこうに進まない州も多い。

格付け各社によると、カリフォルニアやテキサスなど産業の多様化が進んでいる州は景気回復の恩恵を大きく受けている。一方で、ノースダコタやアラスカなど原油関連収入に大きく依存する州は、原油安に伴う税収の落ち込みで財政赤字は拡大している。

米失業率は現在4.9%と、2010年のピーク時から大幅に改善している。ただ、州財政にさほど貢献しない低賃金職やパートタイムの仕事の増加が大半を占めている。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスのアナリスト、ニック・サミュエルズ氏は、ヘルスケアセクターを例に挙げ、雇用増が主に低賃金の在宅ケア支援の仕事に集中している点を指摘。娯楽やサービス業の雇用拡大も、たしかに失業率改善の一助となっているが、それらの職が州にもたらす収入は、給与の高い専門職などの水準には達していないと説明した。

さらに、給与平均が低い州では、より高い給与を求めて他州へ移転する人も多く、それに伴う人口減少も税収の落ち込みに拍車をかけている。

予算・政策優先事項センター(CBPP)は最近のリポートで、全米州の約半分は今後米経済が拡大したとしても予算不足に直面すると指摘。2018年には現行の公共サービスを維持するのに必要な収入が確保できない、との見方を示した。

ロイター
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