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年内のECB追加利下げ観測強まる、英EU離脱問題で見通し悪化
6月15日、ECBが年内に追加利下げに踏み切るとの見方が強まっている。写真はドラギ総裁。ブリュッセルで9日撮影(2016年 ロイター/Francois Lenoir)
[ロンドン 15日 ロイター] - 欧州短期金融市場では、英国の欧州連合(EU)離脱の可能性によりユーロ圏の景気先行きに不透明感が増していることを受けて、欧州中央銀行(ECB)が年内に追加利下げに踏み切るとの見方が強まっている。
ユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)フォワード金利は15日、ECBの理事会が開催される12月8日がマイナス0.41%に低下した。翌日物金利のマイナス0.33%を8ベーシスポイント(bp)下回っている。
これは年内にECBが中銀預金金利をさらに10bp引き下げる確率を80%程度織り込んでいることを示唆している
フォワード金利はまた、9月までの利下げ確率を約50%、7月利下げの確率を30%織り込んでいる。
コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ライナー・ギュンターマン氏は「英EU離脱の可能性により、マクロ経済をめぐる懸念が強まっており、多くの投資家はECBが追加利下げを行なうと予想している」と述べた。
ドラギECB総裁は中銀預金金利をマイナス0.30%からマイナス0.40%に引き下げた3月、銀行の収益悪化懸念を背景に、利下げ打ち止めを示唆した。だが過去にも預金金利は下限に達したとの認識を示した後に方針を転換し、追加利下げに踏み切った経緯がある。