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WTO、貿易紛争で「国家安全保障」言及容認 米に諸刃の剣
[ジュネーブ 5日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)パネルは5日、ウクライナの輸送を巡る対立で、ロシアが「国家安全保障」に触れる権利を認めた。
貿易問題では、トランプ米大統領が安全保障を理由を各国への自動車追加関税の是非を判断する見通しとなっており、WTOの判断は支援材料となる可能性がある。一方でパネルは、国家安全保障の主張を見直すWTOの権利を確認、国家安全保障は見直し対象でないとする米国の立場に打撃を与えた。WTOの判断は総じて、トランプ氏には諸刃の剣となったようだ。
世界貿易ルールで国家安全保障に基づく適用除外権を巡って、WTOパネルが判断を示したのは今回が初めてとなった。
パネルは、国家安全保障の主張を見直すWTOの権利も確認。兵器や紛争、核分裂性物質、「国際関係の非常事態」に関連して、こうした主張は「客観的に」正しいことが重要と指摘した。
ウクライナは2016年、ロシアのプーチン大統領がベラルーシ経由でなければウクライナからの道路・鉄道輸送を禁じるとしたことで、アジアなどとの取引が大きく減少したとWTOに訴え出ていた。
ロシア経済省は、ウクライナの主張が事実無根と認められたとの認識を示した。