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日本人の「集団主義」「同調圧力」には良い面も悪い面もある
ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN
<国民にマスクを着用させるにはどうすればいいか。アメリカ、ドイツ、イタリア、そして日本。こんなジョークから見えてくる民族性もある>
【マスク】
コロナ禍において、各国の政府が国民にマスクの着用を求めることになった。
アメリカ政府はこう発表した。
「マスクをする人は英雄です」
ドイツ政府はこう発表した。
「マスクをするのがルールです」
イタリア政府はこう発表した。
「マスクをすると異性にモテます」
日本政府はこう発表した。
「みんなマスクしていますよ」
日本人の民族性の1つとして、しばしば挙げられるのが「集団主義」。かつては「赤信号みんなで渡れば怖くない」といった表現が流行したこともあった。
今回のコロナ禍では「同調圧力」といった言葉も改めて注目を集めている。「外出時にマスクをしていないと周囲の反応が怖い」と感じる人が少なくないという調査結果などが報告されている。
日本社会には「空気を読む」という表現も定着して既に久しいが、周囲の状況や雰囲気に対して自らの行動を合わせていくという態度は、確かに日本人には特に色濃く見られるのかもしれない。
ただし、このような側面を負の要素としてのみ捉える必要は必ずしもないであろう。自分の身の回りに丁寧に目を配り、他者の迷惑にならないように留意し、自身の行動を律していくという行為は、決して悪いことではない。むしろ日本人のこのような「公共心」こそ、爆発的な感染拡大を抑えることのできた要因の1つであろう。
実際、マスクの着用に関しても、「自分が感染したくない」という心理と同時に「他者に感染させたくない」という思いが日本人には強かったとされる。
ブラッド・ピットも感嘆!
一方、個人主義の強いアメリカでは、マスクの使用を嫌がる傾向が根強い。アメリカ人の感覚の中には「顔を隠すのは悪人」というイメージもあるという。
しかし、そのような理由で「マスクをしない」という選択肢を選ぶということは、「公」よりも「個」の価値観を優先している結果と言えよう。無論、アメリカ人にとって「個の自由」は建国以来の理念である。
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