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ForeignPolicy.com 外交エディター24時
「冒とく罪」批判の州知事暗殺に喝采
パキスタンの2011年は、突然の暗殺劇で幕を開けた。1月4日、連立政権第1党のパキスタン人民党(PPP)の幹部を務めるパンジャブ州のサルマン・タシール知事が、首都イスラマバード市内の人通りの多い市場で自身の警護官によって射殺されたのだ。
タシールは以前からイスラム教を冒とくした者に死刑など重刑を課す現行法の廃止を訴えていた。それが政界の宗教的勢力から怒りを買っていたと、レーマン・マリク内相は示唆した。
07年のベナジル・ブット元首相の暗殺以来となる大物政治家の殺害事件は、政局不安で崖っぷちに立たされたパキスタン政権にさらなる一撃を与えた。アシフ・アリ・ザルダリ大統領は、連立政権第1党の幹部を務めるタシールとは近い関係にあった。
事件直前の1月2日には、連立政権第2党であるムータヒダ民族運動(MQM)が連立離脱を表明。これで与党勢力は下院で過半数を割り込むことになり、政局の行方が懸念されていた。
■フェースブックに犯行記念ページ
今回の暗殺事件は狂気の犯行と見なすのが普通だろう。たとえ犯行を称賛したがる人がいても、表立って称えたりはしないものだ。
しかし現実には、逆のことが起きている。タシールを殺害したマリク・ムンタズ・フセイン・カドリを称賛する犯行記念ページがフェースブックに開設されると、わずか数時間で彼を英雄視するようなコメントが殺到した。「アラーよ、マリク・ムンタズを守りたまえ。彼は私たちにムスリムとしての誇りをもたらしてくれた」と、パキスタン北部ラホール在住の市民は書き込んだ。
もっともパキスタンの治安部隊は、このページで大勢の「要注意人物」リストを集められたと喜んでいるかもしれないが。
──デービッド・ケナー
[米国東部時2011年1月4日(火)11時31分更新]
Reprinted with permission from "FP Passport", 5/1/2011. © 2011 by The Washington Post. Company.
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