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ForeignPolicy.com 外交エディター24時
独裁者におもねるブレアの偽善
トニー・ブレア前英首相は13日、サダム・フセインが大量破壊兵器を開発している証拠がないと分かっていたとしても、フセイン政権を転覆させるためにイラク侵攻を支持しただろうと認めた。
「それでも彼を排除するのは正しいと思ったはずだ。もちろん、その場合は脅威の性質について別の議論を展開する必要があっただろう」。ブレアは今朝放送されたBBCとのインタビューでそう語った。
ブレアは、フセイン排除によってイラクがより民主的な国になるための基礎を築くことができたと主張。近く行われるイラクの総選挙について「この地域にとって何年もの間で恐らく最も意義深い出来事」と表現した。
フセインについては、「彼とその2人の息子が権力を握ったままのほうが良かったとは、とても思えない」と述べた。
しかし、ブレアの(民主主義を広めようとする)ウィルソニアン的原則はアゼルバイジャンには適用されないようだ。彼は今月、同国の化学工場の開所式で演説して15万ドルの報酬を受け取り、独裁者であるイルハム・アリエフ大統領と個人的に面会した。だがブレアは、広く確認されている同国のジャーナリスト迫害についてメディアへのコメントを拒否した。
アリエフのもてなしを受け入れた政界の要人は、ブレアだけではない。米大統領選でオバマの選対本部長を務めたデービッド・プラフは今年2月、同様にアゼルバイジャンを訪問して批判を浴びた。
ブレアの場合、イラク民主化のために進んでイギリス軍を危険にさらし、ありとあらゆる政治的口実を駆使したことを考えると、アゼルバイジャンへの態度は奇妙なほど対照的だ。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2009年12月15日(火)12時21分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 16/12/2009. ©2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
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