コラム

ブラジルから見た「ここがヘンだよ日本人」

2014年06月19日(木)15時53分

●日本が負けても渋谷の交差点は大騒ぎ

 今までサッカーがらみで渋谷のスクランブル交差点が大騒ぎになっていたのは、日本が勝ったからではないということがこれでわかった。じゃあ、あの騒ぎはいったいなぜ起きていたのだろう? 単なる祭りなのか、何かを発散する場なのか、メディアが取材に来るとわかっているから集まっているだけなのか。

 もしギリシャに勝てなかったら、日本代表にとってのワールドカップは事実上終わってしまう。それでも渋谷では、また若者たちがハイタッチを繰り返すのだろうか。

 ひとつ言えるのは、1次リーグでの敗退が決まったスペインや、あるいはブラジルやイングランドだったら、代表が負けて人々があんなふうに騒ぐなんてありえないということだ。べつにスペインやブラジルやイングランドのように振る舞わなくてはならない理由はないが、負けたらしょげるのが普通といえば普通だろう。

 普通ではないことが起こっているのは、なぜだろう。日本人が幸せだからか。それとも、その逆だからだろうか。

 この点だけは、ブラジルにいても日本にいても、すぐにはわかりそうにない。

プロフィール

森田浩之

ジャーナリスト、編集者。Newsweek日本版副編集長などを経て、フリーランスに。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)メディア学修士。立教大学兼任講師(メディア・スタディーズ)。著書に『メディアスポーツ解体』『スポーツニュースは恐い』、訳書にサイモン・クーパーほか『「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理』、コリン・ジョイス『LONDON CALLING』など。

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