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未来予想図の答え合わせ 100年前、50年前、そして50年後はどんな世界に?
もっとも、環境問題に関しては悪い予測だけではありません。世界各国が環境への配慮をすることで、紫外線増大や地球温暖化の原因となるオゾンホール(南極・北極での春期のオゾン濃度減少)は修復され、日本ではCO2排出量は実質ゼロになると考えられています。
2070年の科学技術については、東京理科大学理工学部の教員が2016年に「50年後の未来予想図」を作りました。一部を紹介しましょう。
災害対策では、都市には地震エネルギーを吸収する免震プレートが敷かれて、大地震が起きても被害が軽減されます。地震で揺れず、津波の影響が少ない海上都市も建築されます。
医療面では、健康チェックトイレによって尿が即時に分析されます。さらに、結果はオンラインで医療機関に送られるので、病気の早期発見や経過観察に役立ちます。近赤外線を使った新しい画像診断装置も開発されます。
エネルギー問題を解決するため、世界規模の電力網が結ばれ、太陽光発電や風力発電などの環境負荷の小さい方法で、世界中の国や地域が電力を融通しあえるようになります。
「見たい夢」を設定できるベッドも
さらに、宿泊予約サービス「ホテルズ・ドットコム(Hotels.com)」は、未来学者ジェームズ・カントンと共に「2060年以降のホテル像」を取りまとめました。
未来のホテルでは、宿泊客には自立型ロボットがバトラーとして付いて、送迎やコンシェルジュサービス、料理、清掃、時にはビジネスのアドバイスまで提供します。客室には発展型3Dプリンターが完備され、洋服や電子デバイスを作ったり、ネットショッピングしたものを実物でダウンロードしたりすることも可能です。DNA解析によって滞在者個人に合わせたアンチエイジング・スパが用意され、ベッドには「見たい夢」を設定できます。
ホテルの形態も多様になります。AR(拡張現実)ホテルが登場し、宿泊客は時空を超えた冒険旅行や歴史探訪なども体験できるようになります。
50年後は、科学技術の発展という面では現在よりも生活環境は向上します。けれど、自然環境や人口の予測も含めると、単純に明るい未来とは言い難そうです。さらに、物理学者でAI(人工知能)兵器に詳しい作家のルイス・A・デルモンテは、「2070年には、AIが人間のあらゆる認知能力を超え、人知を超えた兵器が現れる」と予測しています。AIに人が支配されない対策を立てるためにも、2070年までの50年間は人類にとって大切な時間になりそうです。
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