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未来の女性首相はどのタイプ? 哺乳動物の「メス首長」に見るリーダーの資質
基本的にニホンザルの社会も年功序列(写真はイメージです) karutasu53-iStock
<長期政権を打ち破った高崎山のメスザル、経験値で群れを率いるゾウ、オスよりも体が大きくなるブチハイエナ──ヒトと同じ哺乳類で、集団生活を営む動物の社会から「女性リーダー像」を考察する>
10月4日に臨時国会が招集され、首班指名選挙を経て岸田文雄氏が第100代内閣総理大臣に決まりました。
もっとも、岸田氏が次期首相になることが事実上決定したのは、9月30日に行われた第27回自民党総裁選に勝利した時でした。首班指名選挙では多くの場合、与党第一党の党首や総裁が総理大臣に選出されます。つまり、現在は自民党が国会で多数の議席を有しているため、自民党の総裁選びは次の総理大臣に直結するのです。
今年の自民党総裁選の大きな話題は、4名の候補者(岸田氏、河野太郎氏、高市早苗氏、野田聖子氏)のうち2名が女性であることでした。1956年に始まった自民党総裁選の歴史の中で、これまでは2008年に立候補した小池百合子氏(現・東京都知事)が唯一の女性候補でした。
いっぽう、地方自治体の女性首長は増加傾向で、都道府県では、北海道の高橋はるみ氏、山形県の吉村美栄子氏、千葉県の堂本暁子氏、東京都の小池氏、滋賀県の嘉田由紀子氏、大阪府の太田房江氏、熊本県の潮谷義子氏と、歴代7名の女性知事が誕生しています。
さて、動物の世界に目を向けてみましょう。日本の首長と同じで、女性リーダーは珍しいのでしょうか。ヒトと同じ哺乳類で、集団生活をするタイプの動物を見ていきましょう。
年功序列を腕力で打ち破ったメスザル
哺乳類のうち群れを作るタイプでは、外敵(天敵や外部のオス)から仲間を守ったり、内輪で起きる喧嘩の仲裁をしたりする役目が必要です。哺乳類は、シロナガスクジラやヒョウアザラシなどのわずかな例外を除けばオスがメスよりも体が大きく力が強いので、群れのリーダーはオスが果たすことが大半です。
今年7月には、大分県にある高崎山自然動物園のサル群で女性リーダーが初めて確認されて、大きな話題となりました。
高崎山自然動物園は、野生のサルを餌付けして見せる観光施設として1953年に開園しました。現在は、B群677頭、C群362頭のニホンザルが、園内のサル寄せ場で生活しています。
ニホンザルはもともと、群れの中でオス社会とメス社会を作り、それぞれの社会で序列があります。群れ全体のリーダーはオスの1位(αオス)がなります。αオスは喧嘩が一番強いとは限らず、大抵は年功序列で決まります。
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