ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々
戦時中ミャンマーの年明けをヤンゴンで迎えて
明けましておめでとうございます。
決しておめでたいだけではないヤンゴンでミャンマーの新年を迎えました。
私の生活範囲で直接怖い思いをするというような事は今のところ無く、街中にいる兵士の横を通らないといけない時以外特に恐怖を感じる事もありませんが、ミャンマー人の知り合いの話を一つ聞くにつれ「この国は今平時では無く戦時なんだ」と思い知らされる日々です。
今回は何となくの雑記をただ綴っていこうかと思います。
特に何がどうという結論は無いので気楽に読んでいただければ幸いです。
あくまで私個人の考えなのでその辺りも考慮していただければと思います。
お知らせを一つさせてください。
5月26日に東京都港区増上寺にて開催される「ミャンマー祭り」内のイベントでキングコングの西野さんと対談させていただきます。
チケットが発売されています。
クリエイターとして世界で活躍している西野さんに国難にあるミャンマーでのエンタメの可能性や重要性などについてお話を聞けたらと考えています。
是非ともご参加ください。
※このイベントはチャリティーになっております。
利益はミャンマーへ寄付されます。
前回の記事で水祭り2日目にヤンゴンの街へ出かけた時の様子をお伝えしました。
全体的に水祭りにしては閑散としていた様子だったのですが、先日ミャンマーでは大晦日に当たる4月16日、前回とは違うルートでダウンタウンに向かったところ今回私が見まわったところで唯一水祭りっぽく賑わっているところがありました。
その後再び市役所前のステージの方へ行ったのですが、今回は前回程閑散とした様子では無く、ステージの前に行く為に並んでいる車両なども観られました。
僅かという程少なくはありませんが、それでも本来賑わっていたクーデター前と比べると寂しいなと思わざるを得ない位の量ではありました。
後でわかったのですが、この人民公園の動員の中にも相当数雇われた人がいるようです。
このような人たちはヤンゴン郊外から以前であれば5000チャット(約200円)で雇われて来ていたようですが、今はインフレが起こった事もあり10000チャットで雇われているとかいないとか。
ただ、去年も人民公園では大きなイベントが行われており、シュエダゴンパゴダのお膝元である場所でめったな事もないだろうという意識も働いているだろうという事で一般の人も動員されているのではないかと個人的には考えています。
雇われた人が呼び水になっているのは間違いないと思いますが、純粋に水祭り期間のイベントを楽しみたいという人も少なからずいると思います。
そして、この日は自転車で20キロ強移動している間何のかんので5回以上水をかけられました。
おかげ様でミャンマー式厄落としも完了したのかなという想いであります。
在りし日の水祭りの様子を知っている私としてはこの程度の盛り上がりのヤンゴンを観るのは非常に寂しい気もします。
ですが、街を周ってみて多くのミャンマーの人たちの笑顔が観れた事で少しだけ救われた気もしました。
国境沿いで戦闘が激化し国外避難民が増える、首都では国家顧問であるアウンサンスーチーさんが刑務所から移送され自宅軟禁状態になった、国軍トップが避暑地で滞在していたであろう時期に反軍勢力に襲われるなど様々な事が起こった水祭りでした。
イベント的には16日の年末までという事で本日17日はノンビリと過ごして終わりという事になりそうですが、休み期間は21日まで続きます。
ここから更に色んな事が起こるのでは無いかと言われています。
先ず休み期間の間にヤンゴンから離れていた若者たちが無事に戻ってこられるのか。
長距離移動の間にある軍のチェックポイントなどで連れ去られるなどの事件が起こっています。
更にはヤンゴンを離れそのまま疎開するというような動きも出てきそうです。
例年水祭り明けは日本と違い休み明けにすぐ仕事に復帰とならないスロースタートなことが多いのですが、今年は輪をかけて若者が戻らない事による経済的な混乱も起こりそうです。
ガソリンも高騰したままでエネルギー問題もあり、停電は増える一方です。
ミャンマー全土で280万人が避難生活、1,290万人が食糧不安に直面、1,200万人が医療支援を必要。学齢期の子どもの約3分の1が就学していない。
国連からこのような発表もあります。
まさに国難が続くミャンマーです。
私もこういった辛い状況ばかりでは無く、ミャンマーのエンタメについて気楽に楽しい事だけをお伝え続ける事が出来れば幸せなのですが今の状況をみるとそうもいっていられません。
とはいえ、ミャンマーをエンターテインメントで盛り上がるという事を諦めた訳では決してありません。
私には私にしかできる事があると信じてこれからもミャンマー発のエンタメを創造していけるよう頑張っていきたいと思います。
それでは、また。
著者プロフィール
- 新町智哉
映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。
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