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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

ドイツ・文豪ゲーテの生誕地フランクフルト

フランクフルトではマイン川遊覧も是非どうぞ。(c)norikospitznagel

ドイツの文豪ゲーテの生誕地として有名な街フランクフルト。彼の生家はゲーテハウスとして公開されており、この街を訪れたら必ず足を運ぶ聖地・必見スポットです。この生家で『ファウスト』や『若きウェルテルの悩み』の原作である『ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン』など、初期の印象的な作品を創作しました。(画像はすべて筆者撮影)

幼少期と青年期を過ごした生家

ゲーテ(ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ)は、1749年8月28日、12時の鐘が鳴ると同時にフランクフルト・アム・マイン、グローサー・ヒルシュグラーベン通り(Grosser Hirschgraben)の家で産声を上げました。下の画像・左がゲーテハウス、右の新館は博物館。

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帝国議会議員だった父ヨハン・カスパーと母カタリーナ・エリザベートの両親、妹コルネリアとともに、幼少期と青年期のほとんどをこの生家で過ごしました。その後1775年、ザクセン・ヴァイマール=アイゼナハのカール・アウグスト皇太子の招きに応じ、ゲーテはヴァイマールに移り住むことになります。

生家は第二次世界大戦中に破壊されましたが、後に再建され、現在はゲーテハウスとして隣接する博物館と共に公開されています。幸い、家具類はすべて疎開してあったため、独特の調度品で飾られた部屋が再現されており、18世紀のフランクフルトの雰囲気やゲーテ家の生活の様子が伝わってきます。

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4階建ての館内には、井戸のある中庭から入り、玄関の間から台所、青の小部屋(家族の食堂)、赤いイスやカ-テンが印象的な家族の祝宴や著名な来客を迎えるために使われたエレガントな部屋など、当時の雰囲気がわかります。

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家族の生活の場は3階から始まり、父の蔵書がある図書室、絵画の間、母や妹の部屋があります。ゲーテが前の広間と名付けた、階段を上り切った踊り場にある天文学的な大時計。4階には人形芝居の舞台(上の画像・ショーケース内に展示)があり、夢中になって興じていた少年ゲーテの姿を想像します。

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そして法律学を収めた後、生活し創作に励んだゲーテの書斎「詩人の間」も見応えあります。ここでゲーテが一夜にして世界的に有名になった『ファウスト』や『若きウェルテルの悩み』の原作である『ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン』など、初期の印象的な作品を創作したそうです。

1733年、ゲーテの祖母がヒルッシュグラーベン通りに購入したこの家は、2軒続きの家だったとか。ゲーテ家はその1軒に住んでいました。後に父ヨハン・カスパーが母親から相続した隣り合った2軒の木組みの家を根本的に設計し直します。当時の自宅としてはかなり大きなブルジョア・ロココ様式の建物を建てたのが、1755/56年の再建で現在の姿になりました。

さて当時のフランクフルトはどんな様子だったのでしょうか。

ヨ-ロッパの交易路...

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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