ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々
ミャンマー水祭り期間中のヤンゴンの様子を現地から伝えてみた
おはようございます。
毎日の計画停電は何とか耐えられますが、無計画停電まで毎日来るとどこからともなく沸いてくる殺意をいつまで抑えられるのかが勝負だと思っているミャンマー生活の今日この頃です。
まだまだ修行が足りませんが頑張っていきたいと思います。
日本でもこの時期に合わせて各地で水祭りが行われたようです。
遠い祖国の為在日ミャンマー人の方々も苦労されていると思います。
楽しむ時はしっかり楽しんでもらいつつ故郷の人たちとの連帯を強めていければと願っています。
今回はミャンマー最大のお祭りであるダジャン(水祭り)のヤンゴンでの様子をお伝えしようと思います。
ミャンマー生活も10年目ですが、今の水祭りの雰囲気は何とも言い表しにくいものがあります。
クーデター以前と後とでどれだけ違うのかという事を中心にお伝えできればと思います。
お付き合いください。
本題の前にお知らせです。
5月26日(日)東京都港区増上寺で行われる「ミャンマー祭り」内のイベントとしてキングコングの西野さんと私との対談があります。
独自のエンターテインメントで世界へ飛び出した西野さんと未来のエンタメについてそしてミャンマーとプペルについてなど様々な話を聞かせていただきたいと思っています。
※この対談イベントはチャリティーとなっております。
利益は全てミャンマーへ寄付させていただくこととなっております。
なにとぞよろしくお願い致します。
それでは本題です。
まずそもそもですが、水祭りの時期にヤンゴンではどんな事が行われるのか?
日本の皆さんが想像している以上に激しい様子が町中で繰り広げられます。
これは2017年のヤンゴンの様子です。
真ん中辺りに写っているのは道端に出来るマンダと呼ばれるステージです。
ミュージシャンが演奏したり歌ったり、ダンサーさんが踊ったりというような事が行われるのですが、特徴的なのはステージから常に放水して道行く人に水をかけるというところです。
そして水をかけるというのはなにもこういった大通りだけではありません。
このように大きな通りではないようなところでも近所の人が放水の為に大きな水がめを用意したりして桶などで水をかけたりホースで道行く人々に水をかけまくります。
子供たちも水鉄砲などで水をかけます。
とにかく外へ出ると濡れずにいることはほぼ不可能です。
「ダメダメ~」という態度でいても芸人の押すな押すなと同じようにしかとらえられません。
中には氷を入れて冷たくした状態の水をかけられるので一瞬「イタッ!」ってなります。
ですが、気温が40度を超えるようなヤンゴンなのでビショ濡れでも涼しくて心地よい感じです。
この時期ばかりは街が狂気的に、はしゃぎまくります。
毎年長期休みになり(今年は土日入れて9日間休み)4月入るとミャンマー人はみんなソワソワしたり、休み期間が終わっても田舎に帰ったまますぐには帰って来ない人もいたりと大変でした。
さて、2021年のクーデター以降、ミャンマーの水祭りはどうなったか?
お祭り好きのミャンマーの人たちです。
大変な状況の中でもこの時ばかりは全て忘れてはしゃぎたいという気持ちをグッと抑えています。
同じようにしてしまえばそれは国が正常化しているのだと軍に情報操作の材料にされてしまうからです。
軍はそれでも自らステージを作ったり地域の人にプレッシャーをかけてお祭りの状況を作り出そうとします。
それでも到底あの頃のような姿は少なくともヤンゴンでは見当たりませんでした。
まずは私の住んでいる地域からダウンタウンへの移動途中の様子を動画で観ていただきましょう。
本来であればこの通りにも商店などがマンダを作りあちこちから水が飛んでくるハズですが、そういった姿はほとんどありませんでした(動画には映っていませんが1軒だけそれっぽいのがあったみたいでした)
次はシュエダゴンパゴダの入り口前で録った動画です。
さっきのところから5キロ程移動したところでその様子などを話しています。
そしてそこからダウンタウンへ向かいました。
目的はヤンゴン最大のステージがあるYCDC(ヤンゴン市役所)前の様子を観る事です。
先に2017年の時の写真をお見せします。
このステージ前は本当に圧巻でダウンタウンは数万人単位で人が集まるところでもあります。
今回も可能であれば動画や写真を撮りたかったのですが、残念ながら各所に銃を持った警官や兵士がいたので撮れない事もない気はしましたが念のため直接撮影はしませんでした。
次の動画はステージの周りをまわってダウンタウンの入り口辺りに戻ってきた時のものです。
動画でも語っていますが、やはり昔のような楽しい様子は見る影もありませんでした。
もう観るべきモノも無いと帰ろうと家路を走っていたのですが、ふと思いたってもう1か所だけ立ち寄りました。
この最後の移動の間に一台だけ昔の写真のようにトラックに乗って走り回っているのを観た事などを話しています。
ですが、その後もそのようなトラックは家に帰るまで一台もみませんでした。
このバハン市場の近くの商店街ではそこまで人が多い訳ではありませんが、商店の前などで水がめを用意して道行く人に水をかける様子が観られました。
私もしっかりバケツで水をかけられました。
少し離れたところから自転車の私へ向かって狙いを定めている様子に気付いたところで文字通り後の祭り、右半身がぐっしょり濡れてしまいました。
私が住む近所のように路地を入ったところなどでは近所の人同士でひっそりと水祭りを楽しむ様子は見られました。
クーデターの直後の水祭りはそれすらなかったので限定的ではありながらもヤンゴンの人が楽しんでいる様子を微笑ましく観ていました。
そして何度か自転車で走っている私に笑顔で挨拶してくれるような場面がありました。
私が外国人(日本人と分かったかまではわかりません)とわかった上での事でした。
こんな大変な時でも外国人である私に気遣いをしつつも挨拶をしてくれる優しさが伝わってきました。
ミャンマーの人は本当に素敵だなと思わせてもらえるシーンでした。
予想していたようにこの時期に大きな事件が全国的には起こっています。
ですが、少しでもこの水祭りがミャンマーの人たちの癒しになればと心から願っています。
知り合いに聞いたところ今年も4月17日がミャンマーの元旦にあたるようです。
例年この全日までイベントなどを行い元旦はお参りをしてゆっくり過ごすというような流れになっています。
今年は21日まで休みになっているのでどのようになるのか私もよくわかっていませんが、私も出来る限りノンビリ過ごせたらなと思います。
また機会があればインスタでライブなどするかもしれません。
文字だけではなく音声や映像で今のヤンゴンの様子をお伝えできればと今回はこのような形をとらせていただきました。
引き続き暑苦しいヤンゴンでミャンマーの状況を見守っていきたいと思います。
それでは、また。
著者プロフィール
- 新町智哉
映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。
Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
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