World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

ミャンマーで迎える4度目の2月1日

ヤンゴン、インセイン通りの様子:筆者撮影

おはようございます。
ヤンゴンで暮らして10年目、自称ミャンマーエンターテイメントプロデューサーの新町です。
2014年にミャンマーで暮らすようになってからいくつか印象深い日があります。
記念日と言えるのはやはり7月19日。
当時はまだミャンマーについては全くの無知で、たまたまこの日からミャンマーに住むようになったのですが、この日は建国の父と呼ばれるウ・アウンサンの命日で国民の祝日に認定されていました。

そしてやはり今はこの2月1日がもっとも印象深く、忘れたくても忘れられない日です。
長引くコロナがようやく明けるねという話を正に裏でクーデターが起こっているその時に日本へ帰国してしまっていたヤンゴンの仲間としていたのが今でもハッキリと思い出されます。
夜中まで仲間と話し、目覚めた時、この国がひっくり返るような事が起こったのだというのに、目の前に広がる景色はいつもと変わりないようでした。

まるで現実感の無いような不思議な感覚でした。
自分が映画やドラマなどのフィクションの中にいるような感覚です。
その後も私の家の窓から見える景色はずっとテレビか何かでニュースを見ているようなものでした。

しまいには自分の身にも映画のような事が起こります。


当時はまさしく死に物狂いでその状況を何とかしようと動きまわったのですが、今思い返すとこんなとんでもない事がまさか自分の身に降りかかってくるとはとどこか笑ってしまうように思います。
とんでもない人生だなと思いますが、この事件がキッカケで(この事件を書いた上記の記事がキッカケで)このワールドボイスでの連載が始まった訳なので縁とは不思議なものだなと感じています。

そんな私ではありますが、沢山の仲間たちがミャンマーから去る中、しつこく居残り続けた結果今年、4度目の2月1日を迎える事になりました。
先ず私の身の回りが当時と随分変わった事があります。
2022年、2023年とこの日はサイレントストライキが行われるという事で街の様子を見に行く事が出来ました。
ですが、今年は仕事がありそのように自由に街を出歩く(自転車ですが)という訳にもいかないので仕事の途中で何度か外の様子を見るという程度の事しか出来ませんでした。

その時の写真がトップ画になっているものです。
ここはいつもこの時間は酷い渋滞を起こしているポイントなのですが、この日は渋滞という事は全くありませんでした。
ですが、初めてサイレントストライキが行われた時のような静かすぎて耳にキーンという音が聞こえてくるという事はありませんでした。

サイレントストライキが無くなったという訳ではありません。
事実、SNSを見ると全国的に人通りが無くなった様子を上げているのが見てとれました(そのことで捕まった人もいるくらい監視もあったようなので実際はもっと沢山の人が目撃したであろうことが推察されます)

そもそもですが、過去に行ってきたようなサイレントストライキをやろうとしたら物凄いリスクが国民には課せられる事になります。
軍に目を付けられるという事もそうですが、経済的損失も多いでしょう。
日雇いの現金で生活している人だって沢山いるのです。
どうしても人間は最も効果が大きかった時と比べてしまいがちになりますが、そもそも今回の規模であっても凄い事なのだと理解しなければなりません。

ヤンゴンやその他大都市などでの経済活動は随分戻って来たというような話もチラホラと聞きます。
私は有事のさなかにあっても経済活動は必要だと思います。
ましてや今は戦時と言っても過言ではない状況でそれでも出来る事をしようと働いている人たちには尊敬の念しか抱けません。
むしろそのような中にあってもこれだけの規模のサイレントストライキが出てくるというのが多くの国民の意思を表しているのだろうなと理解しています。

様々な憶測が飛び交う中ではありますが、日々変わらない生活を過ごしているように見える大多数の国民も、2024年2月1日の様子を見てまた多くのミャンマー国民の意思を共有したことでしょう。
長引くクーデター禍ではありますが、より日常になってきたここヤンゴンで、それでも非日常を力強く生きている全てのミャンマーの人々に敬意を表します。

そして世界中に散り、祖国を思っている在外ミャンマー人の皆さんの胸中を察します。
一日も早い、本当の平和が訪れるのを祈っています。
そして、民主化、連邦制などを遥かに超えたミャンマーが世界の先を進んでいくような時代を夢見ています。
既にその先を見据えて生きている人もいるように私は思います。
この苦難を乗り越えたミャンマーは、世界でも一歩抜きんでた先進国となると信じています。

願わくばその時にこの国におけるエンタメ最前線で活躍できる事を心から願っています。


それでは、また明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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