シリコンバレーエンジニア・酒井潤のキャリア思考法
あなたの人生は、本当に「あなた」が決めていますか?
情報を見極めるチカラ
この社会には、情報が溢れています。その情報を適切に活用できている人は、果たしてどれくらいいるでしょうか。
私はキャリアを形成していくにあたって、出来るだけ情報を鵜呑みにせず、戦略的に物事を考えるようにしてきました。完璧とは言えないかもしれませんが、この戦略的キャリア構築法について少し書きたいと思います。
「大学に行くべきかどうか」「大企業に入るべきかどうか」「MBAはとるべきかどうか」「家は買った方がよいか」
こういった問いに対して、ただなんとなく、そのほうが良さそうだと選択している人も多いと思います。
特に日本では、「一般常識」と呼ばれるものに縛られている人が多い。その裏には、世間体を気にする国民性もあるのかもしれませんが。
一般常識をまずは疑ってみるーーここから始めてみましょう。
サッカー馬鹿がエンジニアになるという選択
私がJリーガーになることを怪我のために諦め、エンジニアになるべく大学院を探していたときのことです。
北海道から沖縄まで、本当に「すべて」の大学院を調べました。というのも、私はサッカー推薦で大学に入ったため大学では全く勉強していなかった上、文系で受験できる情報系の大学院自体が極めて少なかったのです。
このように、「例外なく徹底的に調べる」ことも、一般常識に囚われない思考法を磨くにはぴったりの手段です。
そしてなんとか見つけた大学院をかたっぱしから受験するわけですが、門前払いされることも多くありました。
「神学部?無理無理!受験しに来ないで」と私をつっぱねた教授の顔は一生忘れないでしょう。
こういった世間の声や、自分自身の思い込み(そもそも、大学を卒業してからエンジニアになる可能性を私自身が信じていなければ、シリコンバレーで働くこともなかったわけです)が、自分の人生の幅を狭めているのかもしれないーー今一度、そんなふうに考え直してみましょう。
特技に囚われる人生
自分の特技や好きなことが明確にある人は、人生選択が容易にできる気がしますよね。
でも、私は逆だと思っています。
私も自分でいうのもなんですが、そのうちの一人かもしれないのです。
私は、小さい頃から運動神経がよく、周りから「潤はプロサッカー選手になれるよ!」と言われて育ちました。
しかしプロを目指して十数年努力したのに、膝の靭帯をきってしまってからパフォーマンスが出なくなり、プロへの道が途絶えてしまったのです。
プロになっても活躍できずに数年で解雇され、その後も自分が望む仕事に就けず、サッカーに未練を持っている友人はたくさんいます。
私はプロの道に進めなかったという後悔を、別のキャリアを成功させることで納得しましたが、「好き」「得意」にこだわるあまり、うまくキャリアを構築できない人はたくさんいるのです。
もしあなたが、「私には特技がない」と思っているのであれば、戦略的にキャリアを構築するチャンスかもしれません。お金のためと割り切って仕事するも、悪くないですよ。
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取材・構成 ▶︎ 中﨑史菜
著者プロフィール
- 酒井潤
サッカー大学日本代表に選抜されるも怪我でJリーガーの道を断念。大学卒業後、エンジニアに転向し2005年ハワイで起業。米国にて複数社勤務後、現在は全米給与ランキング4位の米国スプランクにてソフトウェアエンジニアとして勤務。副業としてUdemyやYoutubeでも稼いでおり、書籍「副業の思考法」(PHP研究所)ではそのノウハウや人生論を紹介している。
Twitter: @sakaijun
Youtube: シリエン戦隊JUN TV