シリコンバレーエンジニア・酒井潤のキャリア思考法
シリコンバレーで「IPOホッパー」となり、キャリア構築せよ
シリコンバレーの空がオレンジ色に
8月ごろから、カリフォルニア州では山火事が相次いでいます。
先日は、山火事の煙の影響で真っ昼間にもかかわらず、空がオレンジ色になる現象が起こりました。
計画停電も行われるなど生活もしづらくなっていますし、なんといってもこの空を見ると「異常」な雰囲気。あまり気分が乗りません。
転職を繰り返すIPOホッパー
さて、今日は「IPOホッパー」についてお話ししたいと思います。
シリコンバレーには、企業が上場(IPO)する前に情報をキャッチして転職する「IPOホッパー」が多くいます。所属する企業が上場すればストックオプションとして大金が手に入るためです。
「シリコンバレーで働いている」と聞くと、GoogleやFacebookなど、大企業で働いているのをイメージする方も多くいるでしょう。確かに、世界的な知名度はそういった企業の方が高いですが、私が働くSplunk(スプランク)という会社は、そういった企業を押さえて全米給与ランキング4位なのです。
スプランクはビッグデータ関連の企業です。私がスプランクに入社した2012年当時はSNSが盛んで、ほとんどのエンジニアがWEB系に興味をもっていました。そのタイミングで一足先にビックデータ産業に入り込めたのは、よい選択だったと思います。
私がスプランクに入社した理由の一つが、「IPO(新規上場)しそうだったから」です。
そんな予測が可能なのかと不思議に思われるかもしれません。でも、「人材の流れを見てIPOを予測する」ことが可能なのです。
例えば、フェイスブックが上場する前は、グーグルから大量のエンジニアが流れました。これがIPOの前兆です。IPO前の企業情報が流れる"2ちゃんねる"のようなサイトの書き込みや、予め構築しておいた人脈からの話でも、予測することは比較的容易です。
私もそういった情報を集めることで、スプランクがIPOするだろうと予測でき、それを狙ってアプライ(応募)したのです。
結局、転職してすぐにスプランクは上場しました。私は転職直後だったのでそれほど多くはもらえませんでしたが、5年勤めた同僚はストックオプションを5億円ほどもらっていましたよ。
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取材・構成 ▶︎ 中﨑史菜
著者プロフィール
- 酒井潤
サッカー大学日本代表に選抜されるも怪我でJリーガーの道を断念。大学卒業後、エンジニアに転向し2005年ハワイで起業。米国にて複数社勤務後、現在は全米給与ランキング4位の米国スプランクにてソフトウェアエンジニアとして勤務。副業としてUdemyやYoutubeでも稼いでおり、書籍「副業の思考法」(PHP研究所)ではそのノウハウや人生論を紹介している。
Twitter: @sakaijun
Youtube: シリエン戦隊JUN TV