魅惑の摩天楼、香港フォト通信
夏だから怖い話、必ず出ると噂の香港最凶心霊スポット3選
夏だからちょっとヒヤッとする怖いお話をしましょう。香港にはいわくつきの心霊スポットがいくつもある。今回は香港人から最も恐れられている、必ず出ると言われている最強心霊スポット3つをご紹介。
■Nam Koo Terrace、Ship Street 55、Wanchai
香港の最強の心霊スポットといったらまずここ Nam Koo Terrace だ。横綱級に他をぶっちぎる心霊スポットだ。香港の肝試しスポットとしてアメリカのガイドブックにも登場する場所である。Nam Koo Terrace とは湾仔にある洋館で一級建築物としても登録されているお屋敷である。
1993年に Hopewell Holdings が所有。このお屋敷の改装工事をスタートしたところ、解体しようとするたびに必ず人身事故が起きて全く解体できず。あまりにも事故が起きるため解体工事を断念。以後、長期間放置されたままの場所である。猫の額ほどの土地にも高層ビルを建てまくる香港で、ここを除いて周りにマンションが建っていく様は異様である。まわりのマンションをにらむかの如く Nam koo Terrace は不気味にたたずんでいる。
2003年、香港中を騒がせた事件が起きた。地元の高校生8人が Nam Koo Terrace に肝試しをしようと夜中に屋敷の中に入ってしまったのだ。どうも Nam Koo Terrace には女性の霊が住みついているらしい。夜を明かすことも無く8人は心霊現象に遭い逃げ出した。その高校生8人のうち1人の女生徒は女性の霊にとりつかれて異常をきたし、救急車で病院に搬送された。
現場には警察も出動し大騒ぎとなった。
この事件以降、Nam Koo Terrace の敷地およびお屋敷内に入れないよう、まわりは封鎖された。
実は私は8年前に Nam Koo Terrace を見に行ったことがある。日本に帰国する知人Nさんが、是非そのお化け屋敷を記念に見に行きたいと言い出したからだ。Nam Koo Terrace のまわりは鉄の柵で覆われていているのが見えた。屋敷に近づけるだけ近づこうと石段を登り始めたところ、言い出しっぺのNさんが突然大声で叫びだした。「登っちゃだめだ、これ以上登っちゃいけないだよ。なんかおかしいんだよ。ここから離れなきゃいけないんだよ」。うわーと私たちは悲鳴を上げてそのまま逃げだしてしまった。Nさんは何かを感じ取ったに違いない。
去年、コロナ渦の中 Nam Koo Terrace をいよいよ今度こそ解体して高層マンションにするというニュースが流れた。こんないわくつきの香港最大のお化け屋敷跡地のマンションに住む香港人はいるのかなあ? 外国人向けにターゲットを絞るのだろうか?
■Granville Road 31番地、Tsim Sha Tsui
ここは香港を震撼させたハローキティ事件が起きた現場である。
ハローキティ事件とは、1999年23歳のクラブホステスが借金2万ドル(現在のレートで約34万円) を返済できなかったがために1カ月にわたり拷問され殺害された。頭部を切断しハローキティのぬいぐるみの中に隠した事件。
当然Granville通り31番地の物件は誰も借りようとするわけがない。このGranville通りは流行のお店が出来ては消えと速いテンポで繰り返している場所なのに、この一角は不気味で誰も借りようとしない日々が長く続いた。とうとうこの建物は壊され、そこに新たに建ったのはAttitude というホテルである。現場の階にあるキャラクター飲茶のお店は何も知らない観光客に人気のようである。
ある時Granville通りを散歩していた時に、このホテルの事件のあった3階にあたる部分にカメラを向けようとしたら「撮るな」という無言の声が聞こえた。その声の主に向けて「撮らないから安心してくださいと」と心の中で言い、見せるようにカメラのレンズにキャップをして絶対に振り向かずにその場を後をしたことがある。
■Sai Ying Pung, Community Complex (西營盤、サイインプン)
Hong Kong Government Homepage
ここ、香港島の西營盤にあるコミュニティーコンプレックスも出る出ると言われてる有名なスポットである。この西洋建築物は1892年に精神病棟として建てられたが1998年にコミュニティーコンプレックスとして外観を保存し使用されるようになった。
しかしながら女性のすすり泣く声、こつこつと不気味な足音を聞いたり、首なし幽霊を見たという声が絶えないスポットである。
■やっぱり写真は撮れなかった
今回の記事にあたって、過去に3カ所とも行ったには行ったけれど写真は撮らなかった、というか撮れなかった。
Nam Koo Terrace にはカメラ持参だったものの友人がここは変だ変だと騒ぎ出したため慌てて逃げだし撮れずじまい。2番目のGranville通りでは「撮るな!」という無言の声が聞こえて撮れず。そして最後のコミュニティーコンプレックスも「ここは撮ってはいけないんだ」センサーが働いたので撮らなかった。
私は霊が視えるわけではないが何か不気味な違和感、その場だけ周りと波長がずれていておかしいと感じ取る力は結構ある方だと思う。
いわくつきの場所に行って、おかしいとセンサーが働いた時は絶対に撮らないほうがいいと思う。私が師事したカメラの師匠はどんなに撮りたい場所でも「ココはやばいかもしれない」センサーが働いた場合、絶対に撮らず振り向かずにその場を去ると言っていた。私もそうしている。
著者プロフィール
- マリエ
香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら。