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ダイバーシティ先進国ベルギーから観る欧州 LGBTQI 事情

ひきりん|ベルギー

コロナ禍でゲイタウンもひっそりと

ブリュッセルのゲイタウン。世界遺産の広場グランプラスからは徒歩3分という近さ。6月26日23時頃 筆者撮影 © hiquirin

新型コロナウイルスはここブリュッセルのゲイ達の夜の遊び場にも大きな影響を与えている。ゲイタウンでもwithコロナの「新しい行動様式」が求められ、ソーシャルディスタシングをはじめ様々な制約が課せられている。ゲイコミュニティではたとえ初対面でも挨拶がわりの頰キス・ビズがごく当たり前の慣習だったが、ひとまず封印されたかたちだ。マッチングアプリを通じてのデートも自制が求められる。「ソーシャルバブル」と呼ばれる家に遊びに行ったり招いたり出来る人数は、同居する家族以外の5人までと限定されている。以前は1週間ごとにその5人のメンバーは変更出来たが、少し前から現時点まで全く同じ5人に限られている。濃厚接触が許される対象がこの少人数に限られたのでは恋活もままならない。

ベルギーでのコロナ感染状況

3月18日にロックダウン(都市封鎖)が開始されたベルギーだが、それに先立ちレストランやカフェ、バーなどの飲食店は13日の金曜日の夜(14日0時)をもって閉店。僕はちょうどこの日、卒業旅行で日本からやって来たゲイの男の子(僕のブログ『ヨーロッパ発 日欧ミドルGAYカップルのツレ連れ日記』の読者さんで事前に連絡をもらっていた)と初顔合わせし何軒かハシゴした後で、日付が変わるカウントダウン前に多くの店で一斉にお客を追い出しにかかっているのを横目に彼をホテルへ送り届けたのだった。

そもそもベルギーでのコロナ感染拡大の発端は2月最終週のカーニバル休暇だった。この時期は子供連れなどを中心にスイスやフランス、オーストリアや北イタリアなどへスキーに出掛ける家族が多い。当時受講していたフランス語コースで、北イタリアのスキーリゾートで1週間過ごして来たとのエピソードを休暇明けに漏れ聞いたりもしたが、その頃はまだそこまでの警戒感を持っているクラスメートも少なかった。コロナ感染は中国などアジアかイタリアでのことで、ベルギーではまだまだ完全に対岸の火事扱いだった。ベルギーでの最初の感染例は2月初め武漢からの帰国者1名だけで、その後の新規感染者の報告はなかったが、この休暇直後の3月に入り実施されたPCR検査の結果で243名中5名の陽性者が確認された。その全員が北イタリアからの帰国者であった。それからは感染者の数は指数関数的に増えていった。

Profile

著者プロフィール
ひきりん

ブリュッセル在住ライター。1997年ドイツに渡り海外生活スタート、女性との同棲生活中にゲイであることを自覚、カミングアウトの末に3年間の関係にピリオドを打つ。一旦帰国するも10ヶ月足らずでベルギーへ。2011年に現在の相方と出逢い、15年シビル・ユニオンを経て、18年に同性婚し夫夫(ふうふ)生活を営み中。

ブログ:ヨーロッパ発 日欧ミドルGAYカップルのツレ連れ日記 

Twitter:@hiquirin

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